Word VBA

テンプレートの作成・登録と活用

■ テンプレートとは
(1) 意義
  テンプレート(template)とは,型板,雛型のことである。ワープロソフト等では,何かを作る時のもとになる定型書式,ひな型のファイルを意味する。
 あらかじめ設定された書式やマクロ(VBA)などが利用でき,能率的な文書作成ができる。

(2) 利用方法
  Wordでは,通常の文書ファイルとして作成された「○○.doc」のファイルを,テンプレート形式の「○○.dot」のファイルで保存すれば,以後テンプレート(原本)として呼び出して使用することができる。
  テンプレートの内容を複製(コピー)し,その書式やマクロ等の文書作成支援機能も働くので,多数の文書を統一した書式等で能率よく作成する場合に,これを使うと便利である。
テンプレート
  テンプレートに組み込まれた書式やマクロ(VBA)は,裏方の黒子のように働き,これによって作成された文書は,マクロが含まれない文書ファイルとして生成されていく。

(3) テンプレートの所在
  こうしたテンプレートは,どこに保存されるのか。
  Wordのメニュー「表示」から「作業ウィンドウ」をクリックして,「新しい文書の作成」をクリック。表示された中から,「テンプレート」欄で「このコンピュータ上のテンプレート」をクリックし,タブ「標準」をクリックすれば,現在登録されているテンプレートを見ることができる。
  テンプレートの保存場所は「隠しフォルダ」となっている場合があるが,具体的には,
 WindowsXPの場合
   "C:\Documents and Settings\ユーザー名\Application Data\Microsoft\Templates"
 Windows Vista,Windows 7 の場合
   "C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Microsoft\Templates"
の所定フォルダ内に保存される。
*隠しフォルダは,次の操作により,表示されるように変更できる。
  エクスプローラで,ツール→フォルダオプション→タブ「表示」→詳細設定をクリックし,
  「ファイルとフォルダの表示」の項で,
  「隠しファイルおよび隠しフォルダを表示しない」にチェック印がある場合,
  下欄の「すべてのファイルとフォルダを表示する」にチェック印を付する。

■ テンプレートの保存
(1) Word画面に呼び出した文書ファイル「○○.doc」を,テンプレートとして保存し利用する場合は,次の方法手順による。
 メニューバーの「ファイル」→「名前を付けて保存」をクリック。
 開いた「名前を付けて保存」ダイアログボックスで,ファイルの種類として「文書テンプレート(*.dot)」を選択指定する。
 すると,自動的に保存先が「Template」となり,ファイル名末尾の拡張子が「○○.doc」から「○○.dot」に変更されて表示される。必要に応じてファイル名を修正する。
 以上の設定内容を確認して「保存」ボタンをクリックする。

(2) 上記の操作をすると,テンプレートが上記ユーザー名下の所定フォルダに保存される。

■ テンプレートの呼出し利用
(1) テンプレートを利用する場合には,次のとおり行う。
 Wordメニューバーから「ファイル」→「新規作成」で,画面右側に作業ウィンドウ「新しい文書」が開く。
 その「テンプレート」欄で,「このコンピュータ上のテンプレート」をクリック。
 開いた「テンプレート」ダイアログボックスで,タブ「標準」をクリックする。
 ファイル表示欄から目的のファイルを選択してクリック(反転する)。
 「OK」ボタンをクリックすると,そのファイル内容が新たに「文書2」として,ワード画面に呼び出され表示される。
 表示内容を元に,また,関連づけられたマクロ等を利用して,必要な修正を施し,文書として完成する。
 既に開いていた「文書1」は,適宜閉じる。

(2) テンプレートを利用した文書作成後は,Wordメニューバーから「名前を付けて保存」をクリックして,適当な名前を付けて「○○.doc」のファイルとして保存する。

(3) テンプレートを利用して作成したファイル「○○.doc」は,それだけを切り離して他のパソコンでも利用できるが,作成に利用したマクロは含まれていない。そのマクロを含んだテンプレートがない以上,関連づけられているマクロ等は機能しない。機能させるには,添付テンプレートが必要になる。

(4) Wordを開いてマクロ利用のファイルを呼び出すには,自動起動のマクロは「AutoOpen」ではなく「AutoExec]としてある場合に機能する。

■ テンプレートの削除
(1) 不要になったテンプレートは,次の手順で削除する。
 Word画面上,削除対象のファイルは表示させない(該当ファイルを閉じる)。
 Wordのメニューバーから「ファイル」→「新規作成」で,画面右側に作業ウィンドウ「新しい文書」が開く。
 その「テンプレート」欄で,「このコンピュータ上のテンプレート」をクリック。
 開いたテンプレートのダイアログボックスで,タブ「標準」をクリックする。
 表示欄から目的のファイルを指定クリック(反転する)。
 右クリック・メニューで「削除」を選択。
 「ファイルの削除の確認」画面で,「はい」ボタンをクリック(削除される。)
 「テンプレート」の画面を「キャンセル」して閉じる。
 
(2) 削除されたテンプレートは,復活はできないので,慎重に行う。




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