簡易裁判所の主な民事手続
(平成16年4月1日以降)
 簡易裁判所は,国民に身近な裁判所として,簡易な手続による迅速な解決を目的として設立されたものです。全国に438か所設置されています。
  種 類 符号 当事者 概 要 判断
機関
特 徴
訴  訟

【民事訴訟法133,138,139,87等】
原告
×
被告
  • 140万円以下の少額の紛争について簡易迅速な解決を図る手続で、公開の法廷で行われる。
  • 当事者が互いに言い分を主張し,証拠調べにより事実を確定して,これに法律を適用し,判決によって紛争の解決を図る。
  • 簡易裁判所の手続を分かりやすく利用しやすいようにするため、地方裁判所の第一審手続に対する特則の手続が設けられている。
  • 話し合いにより解決(和解)することもできる。和解には、民間の司法委員が裁判官の補助をすることがある。
  • 貸金の返還,不動産の明渡し,交通事故による損害賠償等の請求訴訟がある。
  • 裁判官
  • 公開手続で,判決によって黒白決着を図る点で,非公開で話合いによる解決の調停と異なる。
  • 法律的な「勝ち負け」が明白になり,シビアな戦いになる。
  • 少額訴訟

    【民事訴訟法368以下】
    少コ 原告
    ×
    被告
  • 60万円以下の金銭支払いに関する紛争の解決を図る手続で、公開の法廷で行われる。
  • 手続は,上記の訴訟と同様であるが,1回の期日で審理を終え判決の言い渡しがされる特別の手続。
  • 途中で,話し合いによって解決(和解)することもできる。
  • 裁判官
  • 上記に同じ。
  • 1期日で審理・判決で終了する点で,上記の判決手続と異なる。
  • 支払督促

    【民事訴訟法382以下】
    債権者
    ×
    債務者
  • 金銭等一定の数量の給付に関する紛争の解決を図る手続。
  • 債権者からの申立により,書面審査のみで行われる。
  • 裁判所書記官が「支払督促」を発して解決を図る。
  • 2週間以内に異議がなければ仮執行宣言が付され,強制執行手続に移行する。異議があれば,訴訟手続に移行する。
  • 裁判所書記官
  • 債務者の言い分を聞くことなく,書面審理のみで行われる。
     (言い分があれば,異議の手続による。)
  • 非公開手続である点で,上記2つの訴訟と異なる。
  • 調  停

    【民事調停法】

    ノ,
    特ノ等
    申立人
    ×
    相手方
  •  金銭や土地をめぐる紛争を話し合いで解決しようとする手続。
  • 原則として,2人の調停委員と1人の裁判官で構成される調停委員会が話し合いを斡旋をする。
  • 当事者の互譲により条理に従い実情に即した解決が図られる。
  • 当事者に合意が成立し調書が作成されると,確定判決と同一の効力を持つ。
  • 金銭貸借や売買,交通事故、借地借家,農地をめぐる紛争,公害や日照,通風等隣人間の紛争等について,幅広く調停が行われる。多重債務者の経済的更正のために調整する「特定調停」も行われている。
  • 裁判官,調停委員
  • 調停委員による斡旋で話し合いにより紛争を解決する。非公開手続。
  • 互譲があれば,「勝ち負け」でない,実情に即した解決が得られやすい。
  • 互譲による話し合いが成立しない場合には、紛争解決に至らない。

  • 実務の友

    [ HOME ]