■2014年6月号

今月の潮流
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バイオジャーナル

ニュース


●北米事情
●ハワイ・マウイ島地方議会でGMO禁止法審議へ

 カウアイ島に続いて、米国ハワイ州マウイ島でGMOを一時的に禁止するための署名が集められてきたが、このほど9500筆がマウイ地方議会に提出された。署名の有効筆数が8500を超えるとマウイ地方議会での審議が始まる。マウイ島にはモンサント社の試験圃場があるため、その帰趨が注目される。モンサント社はマウイ島とモロカイ島に3000エーカーの試験圃場を所有している。
〔Daily Journal 2014/4/9〕

●コネチカット州でGM芝一時禁止法案否決

 米国コネチカット州議会上院がGM芝の一時禁止法案を修正可決した1週間後、下院が103対37で否決した。最初に提出された法案はGM芝の5年間のモラトリアム(一時禁止)だったが、上院で2年間に修正されていた。〔CT News Junkie 2014/4/21〕

●オレゴン州住民投票でもバイテク企業のCM攻勢

 オレゴン州ジャクソン郡では、GM作物栽培禁止条例の住民投票の攻防戦が最終段階を迎え激化している。ジャクソン郡は小さな自治体だが、カリフォルニア州やワシントン州での住民投票と同様、バイテク企業がテレビCM戦略に打って出ている。モンサント社18万3294ドル、デュポン/パイオニア社12万9647ドル、シンジェンタ社7万5000ドル、バイエル社2万2353ドル、BASF社2万2353ドル、ダウ・アグロサイエンス社2万2353ドルと、バイテク6社で45万5000ドル(約4606万円)を拠出している。〔ENEWSPF 2014/4/9〕
●欧州事情
●仏下院、GMトウモロコシすべて禁止に

 フランス政府下院は4月15日、GMトウモロコシ栽培禁止法案を可決した。先月にはモンサント社のGMトウモロコシ「MON810」栽培禁止法を可決・成立している。EUがGMトウモロコシ「パイオニア1507」を承認したため、対抗措置に出たものである。しかし、フランスの行政裁判所はこれまで、国会が可決成立した法律の取り消しを命じる判決を出しており、今回も同様の事態が起きる可能性がある。〔Reuters 2014/4/16〕

●仏伊両裁判所が相次いでGMO禁止を支持

 5月5日、フランス行政裁判・諮問機関の最高位にあたるコンセイユ・デタは、政府が3月14日に出したGMトウモロコシ「MON810」栽培禁止令の撤廃を求めたトウモロコシ生産者協会などの訴えを却下した。禁止を解除する緊急性がない、というのが主な理由である。
 4月24日、イタリアの地方裁判所は、「予防原則」を採用し、政府によるGMトウモロコシ「MON810」作付け禁止を支持する判決を出した。裁判は、イタリア北東部フリウリ地域のGMO推進農家が起こしたもの。〔GM Watch 2014/5/2など〕

●ロシアがGM種子承認を延期

 ロシアのメドベージェフ首相は、GM種子登録を3年間延期すると述べた。ロシアでは種子を登録しないと栽培はできない。首相は昨年、GM作物の種子登録を今年6月には認める方針を表明していた。しかし、このところの米国との関係などからGM作物に対して否定的な動きが強まっており、延期となったようである。〔Russia Today 2014/4/23〕
●中東事情
●イランでBt綿とBtイネの試験栽培開始

 イランでBt綿とBtイネの野外試験栽培が今年中にも始まる。農業研究・教育・普及機構(AREEO)の代表エスカンダル・ザンドが明らかにしたもので、イラン大統領、農相、農業省高官との話し合い後の会見で述べた。〔Crop Biotech Update 2014/5/7〕
●アフリカ事情
●ナイジェリアでGM蚊放出めぐる科学者討論

 西アフリカにあるナイジェリア連邦共和国で、マラリア対策のためのGM蚊野外放出への是非をめぐり議論が戦わされた。議論は科学者164人で行なわれたが、ほとんどの科学者(92.7%)は、放出承認前にGM蚊が生き残れないようにする方法の確立を求めた。また、83.5%の科学者は、現時点での野外放出に懐疑的であった。しかし最終的な結論は、GM蚊が生き残れない方法が確立すれば放出してもよい、であった。〔7th Space 2014/4/25〕
●アジア事情
●インドで繊維用GM作物まもなく承認

 インドで繊維作物GMジュートの商業栽培がまもなく承認される。開発したのは西ベンガル州コルカタ大学の研究チーム。インドの承認機関である遺伝子工学承認委員会に商業栽培の申請が出された。インドでは、食用GM作物栽培は行なわれておらず、州政府の抵抗も大きいことから、まずは非食用作物の栽培をするものと見られる。〔Business Standard 2014/4/9〕