■2015年3月号

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バイオジャーナル

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●ニュース
●日本の食卓にのぼるGM食品の増加傾向

 GM作物栽培が拡大する米国では、GM品種が占める割合がトウモロコシ93%、大豆94%、綿96%と、極限状態に達している。カナダもナタネの95%がGM品種となり、北米からの輸入に依存する日本では、食卓にのぼるGM食品は増加する一方である。しかし、大豆とトウモロコシの輸入国は近年分散化してきたため、トウモロコシのGMO比率は低くなっている。


単位:%
作付割合 輸入割合 自給率 食卓に上る割合
トウモロコシ 米国 93 44.8 0 73.6
ブラジル 68 30.4
アルゼンチン 85 13.3
大豆 米国 94 60.1 6.4 84.3
ブラジル 88 23.5
カナダ 94 13.7
ナタネ カナダ 95 93.8 0 89.1
綿実 豪州 99.5 94.6 0 94.1

※作付割合は、全作付面積中の遺伝子組み換え作物の割合(出典:米国とカナダ(ナタネ)は、「ISAAA報告書(2014年)」国際アグリバイオ事業団(ISAAA)。以外は「ISAAA報告書(2013年)」国際アグリバイオ事業団。
※輸入割合は、日本の該当作物の全輸入に占める割合(出典:財務省貿易統計、2013年)
※自給率は、日本の自給率(出典:九大大学院農学研究院 農業資源経済学部門 農政学分野 旧・伊東研究室、2013年)


●北米事情
●アリゾナ州議会にGM食品表示法案提出

 米国アリゾナ州議会にGM食品表示法案が提出された。法案は、バーモント州で成立した表示法を参考にしている。さらに法案には、GMO由来成分が含まれているものへの「すべて天然由来(all natural)」表示を禁止している。〔Phoenix New Times 2015/1/27〕

●オオカバマダラ蝶が絶滅の危機に

 米国の市民団体・食品安全センターは、GM作物に使用される除草剤ラウンドアップによって、蝶のオオカバマダラが絶滅の危機にある、という77頁に及ぶ報告書を発表した。オオカバマダラは1990年代中頃には10億匹を数えていたが、いまや3500万匹にまで減少。主な原因は、メキシコから北米大陸を横断する際に食べる植物トウワタが、ラウンドアップによって枯れ、減少したことによる、という。〔Saint-Louis Dispatch 2015/2/4〕