■2016年12月号

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バイオジャーナル

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●アフリカ事情
●タンザニアで初のGMトウモロコシの試験栽培
 
 タンザニア初のGMトウモロコシの試験栽培が、10月から中央部ドドマにある圃場で始まった。アフリカ向け水有効利用トウモロコシ(WEMA)プロジェクトが開発した旱魃耐性トウモロコシで、試験ではその有効性と安全性を見る。〔ISAAA 2016/10〕

●遺伝子組み換え作物
●グリホサートの発癌性評価に対するバイオ企業の反撃

 昨年3月、世界保健機関(WHO)の専門家機関の国際癌研究機関(IARC)はグリホサートを、人に対する発癌性がおそらくある「2A」と評価したが、モンサント社などが激しく反発している。米国政府にはIARCへの資金提供を絶つよう働きかけ、米国環境保護局(EPA)に対してはIARCの評価を採用しないよう要請、そのためEPAは最終報告書を発表できない状態が続いている。また、IARCの科学者にも攻撃を加えており、IARCは「業界に脅されていると感じている人がいる」という声明を出した。〔Huffington Post 2016/10/31〕

また、欧州委員会がグリホサートを再認可しなかった際には、モンサント社などが「グリホサート・タスク・フォース」を組織して圧力をかけ、結局、欧州委員会はグリホサートの認可を2017年末まで延長した。さらに「グリホサート・タスク・フォース」の圧力により、欧州食品安全局(EFSA)やドイツ連邦リスク評価研究機関(BfR)が、グリホサートの発癌性を低いと評価した。ドイツの毒物学者のペーター・クラウジングは、「EFSAとBfRの見解は科学的事実をゆがめ、人々の健康に脅威をもたらす」と批判した。〔GM Watch 2016/11/3〕


●カルタヘナ議定書
●補足議定書批准に向けて国内措置まとめる

 環境省は10月27日、「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書に対応した国内措置の在り方について(答申案)」をまとめ、広く意見を募集した。この補足議定書は、GMOなどが国境を越えて移動した際に、人の健康への影響を含めた生物多様性に被害を生じさせた場合、誰が責任を負い、どのように環境を修復し、被害を受けた人々を救済するかなどを定めたものである。この条約を批准するために現在は、現行の国内法との整合性を図るための検討を加えている。しかし、答申案の内容は、現行の法体系との整合性や、企業活動に支障が出ないことを優先するものになっている。