■2022年12月号

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バイオジャーナル

ニュース


●グリホサート
●グリホサートがもたらす低体重児

 グリホサートの健康への影響の1つに、妊娠時の暴露がもたらす低体重児出産の問題がある。低体重児は成長ののち、糖尿病や心臓疾患などさまざまな健康障害を引き起こすリスクが高まる。インディアナ大学のポール・ウインチェスターらが最近発表した研究では、妊娠初期の尿中のグリホサートレベルが高かった母親から生まれた新生児は、集中治療室(NICU)に入院するケースが高いことが示された。研究に参加した妊婦187人中186人から、検出限界(0.1ng/ml)を超える尿中のグリホサートを検出した。〔Environmental Health21 Article number95/2022〕
●遺伝子組み換え作物
●GM大豆は膵臓に損傷をもたらす

 イタリアの研究者マヌエラ・マラテスタが2002年と2003年にGM大豆を8か月マウスに摂取させた2つの実験で、膵臓に損傷が起きたという結果を発表した。肝臓と精巣にも損傷が起きていた。しかし、マラテスタはベローナ大学を辞めさせられたため、実験の継続が困難になってしまった。その後、この実験はメキシコの研究者によってフォローされ、その結果が2008年に発表されていたことがわかった。この新たな実験では、30日という短期の実験で、膵臓に損傷が起きるかどうかを見た。実験を行なったのはメキシコ政府食品研究機関(CIAD)のアナ・M・カルデロン・デ・ラ・バルカらの研究チーム。この実験でラットは急性膵炎を起こしており、その結果は、「J.appl.Toxicol」(2008;28:217-226)に発表された。〔GMWatch 2022/11/15〕