■2023年3月号

今月の潮流
News
News2


今号の目次へ戻る
ジャーナル目次へ戻る





























バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●EUが6月にGMO規制緩和を提案へ

 EUではGMOの規制緩和に向けた動きが強まっている。欧州委員会は6月7日に、GMOの定義を変更した規制緩和の提案を予定している。これが承認されると、GMOの規制緩和のみならずゲノム編集などのニューGMOが認められることになる。現在のところEU加盟各国政府は容認に向けた動きを示しており、環境保護団体などは自国政府に対して承認しないよう求めている。その中で、人口がEU全体の20%近くを占めるドイツ政府の動向が投票の行方を大きく左右することになりそうである。ドイツでは、連立政権の社会民主党と緑の党は規制緩和に反対の姿勢を示しているものの、自由党は賛成しており、方針は定まっていない。〔InfOGM 2023/2/6〕

●英国のゲノム編集作物容認法案がまもなく成立

 現在、英国議会にかけられているゲノム編集作物を容認する法案は下院を通過し、上院での審議は最終段階にきており、まもなく修正されることなく可決成立する運びである。ただし、スコットランドとウェールズは今のところ法案拒否の姿勢を示しているため、この法案の適用はイングランドだけになりそうである。〔Reaction 2023/2/6〕

●健康被害でモンサントを訴えたフランス農民が勝訴

 2007年にモンサント社を相手取って提訴した裁判の判決が昨年12月に下された。原告はフランスの農民ポール・フランソワで、2004年に除草剤を吸い神経障害を含む深刻な健康被害に陥った。裁判は、農薬の危険性と農薬業界の圧力の強さを代表するものとして、社会の注目を集めてきた。判決は原告勝訴であったものの、被告企業が「医療費は保険でカヴァーされている」と主張したため、補償額はごくわずかなものであった。 そのフランソワが1月30日、南西部シャラントの自宅で襲撃された。上記裁判にかかわるものとみられ、国会議員をはじめ多くの人が、農薬企業を訴えたことで脅迫や攻撃を受けることは許されない、と声明を発表した。〔GMWatch 2023/2/14〕
●アフリカ事情
●南アのGMトウモロコシ承認取消訴訟がようやく開始

 南アフリカ政府は、2017年にモンサント社が開発した干ばつ耐性トウモロコシの商業栽培を承認した。それに対して環境保護団体アフリカ生物多様性センター(ACB)が、承認取り消しを求めて南アフリカ高等裁判所に提訴した。それから5年が経過し、やっと同裁判所は2月7〜8日に法廷審問の日程を設定した。提訴以来、このGMトウモロコシの商業栽培は一時停止状態になっている。ACBは、この審問設定は一歩前進と見ている。〔African Centre for Biodiversity 2023/2/4〕
●ゲノム編集
●ふるさと納税返礼品ゲノム編集フグ採用撤回を求めて署名提出

 京都府宮津市の市民団体は2月14日、宮津市がふるさと納税の返礼品にゲノム編集フグを採用していることに対して、それを撤回するように求め、署名1万661筆を提出した。城崎雅文市長は定例の記者会見で、「市民と話し合う機会を持ちたい」と述べた。〔京都新聞 2023/2/15ほか〕