■2024年5月号

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バイオジャーナル

ニュース


●欧州事情
●EUのNGTs容認で独仏が規制を求める

 EUの欧州委員会は、新しい遺伝子技術(New Genomic Techniques :NGTs)について規制しない方針を示し、欧州議会が一部修正したものの追認する提案を行った。欧州委員会の方針に対して、ドイツとフランスの環境、保健の両省が異議を唱える報告書を発表した。欧州委員会の方針では、NGTsは従来の品種改良と変わらないと主張しているが、それに対して疑問を呈している。以上の経緯を受けて、今後、欧州理事会で議論が進むことになる。〔FoE Europe 2024/3/25〕
●北米事情
●米国で豚の遺伝子を組み込んだ大豆を承認

 アルゼンチンのバイオ企業バイオセレス社傘下で、代替肉市場への参入を目指す米国のベンチャー企業ムーレック・サイエンス社が、GM大豆の市場化に向けて、米農務省の承認を得た。このGM大豆は、本物の豚肉に代わるものとして豚の遺伝子を大豆に組み込んだもの。同社は、牛の遺伝子をエンドウ豆に組み込む開発も進めている。〔Bloomberg 2024/4/20〕

●メキシコのGMトウモロコシ規制へのカナダ政府介入に市民が抗議

 メキシコ政府がGMトウモロコシの規制を強めていることに対して、米国政府は、米国・カナダ・メキシコ3カ国による貿易協定に基づいて、規制撤廃を求めて圧力を強めている。カナダ政府は4月5日、米国政府の圧力を支持すると発表した。それに対してカナダの環境保護団体や公益団体は共同で、政府の発表に対して「メキシコは食料供給の将来を決定する権利を有する主権国家である」とする抗議の文書を提出した。〔CBAN 2024/4/19〕

●アジア事情
●フィリピン裁判所がGM稲、ナスの栽培等禁止の判決

 フィリピンの控訴裁判所は、農民団体などが訴えたGM稲とナスの栽培等の禁止を求める訴えを全面的に認める判決を下した。GM稲はゴールデンライスで、GMナスはBtナスである。判決では、栽培や販売の停止を求めており、安全性が確認されるなど法的要件が満たされるまでその停止は継続されるとしている。栽培には、商業栽培に加えて、封じ込めた状態で行われる試験栽培、野外での試験栽培も含まれ、食品や飼料への加工、輸入申請もすべて禁止される。今後、裁判は最高裁に移行する。〔MASIPAG 2024/4/9〕