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今月の潮流●コーデックス、GM動物などテーマに
9月19~23日、千葉県幕張でコーデックス委員会バイオテクノロジー応用食品特別部会が開かれ、2008年までの議題が確定した。
原案では、①遺伝子組み換え動物(魚を含む)、クローン動物、②鉄分増量レタスやゴールデンライスなど特定の生理活性物質や栄養分を変えた植物、③遺伝子組み換え作物同士を掛け合わせた植物(スタックジーン)、④医薬品として用いる植物、⑤特定の医薬品成分や非食品成分を生産する植物、⑥未承認作物が混入した際の許容の割合、⑦比較食品組成分析、があがっていた。
確定したのは、①遺伝子組み換え動物(魚を含む) と②生理活性物質や栄養分を変えた植物のみで、クローン動物は取り上げないことになった。また、遺伝子組み換え動物に関しては、逃げた場合の環境影響、生命倫理、動物福祉など「その他の要因」を取り上げるか否かが議論されたが、次回に先送りされた。
②の議題には、⑦の比較食品組成分析も含まれることになった。比較食品組成分析とは、主に途上国で主食となっている作物キャッサバ、ソルガム、レンズ豆などの食品組成の情報蓄積がないため、分析し、提供するものである。これは将来的にはGM品種と比較できるようにする。
③の遺伝子組み換え作物同士を掛け合わせた植物に関しては、日本が原則評価不要としたのに対して、EC(欧州委員会)が原則必要としたため意見の隔たりが大きく、今回は見送られた。④医薬品として用いる植物、⑤特定の医薬品成分や非食品成分を生産する植物に関しては、「食品」ではないということで外された。⑥未承認作物が混入した際の許容の割合については、米国とECの間で意見が大きく対立し、今回は見送られたが復活の余地は残されている。
遺伝子組み換え動物に関しては、来年春にワーキンググループの会議が日本で開かれ、そこで原案がまとめられる。次回の特別部会は来年11月27日から5日間開かれる。 |
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