その一、こじろうちょっと強気。
ある日、カゴから出たうさぎのこじろうは、秋田犬な兄上のいるお座敷の方に、てけてけと歩いて行きました。
兄上は、暇そうに、一人で物思いに耽りながら、お茶を飲んでいます。
こちらに気付いたようです。
「こじろう、いいものを手に入れて来たから、ちょっとおいで。萩の月もあるから」
唐突に、兄上が、おいでおいでをしています。
1.取り敢えず、そのまま行ってみる。
2.その場で問い質す。
1→
こじろうは、兄上のいる座敷まで、更にてけてけと歩いて行きました。
兄上は、菓子器から萩の月を出してくれました。
それをはむはむと食べているのを、兄上はじぃっと見ています。
「好いものがあったから、是非こじろうにと思って」
「なに?」
兄上が、大きな包みを出して来ました。
嫌な予感がします。
@.逃げようとしてみる。
A.萩の月の魅力に負ける。
・・・・@→
しかし、逃げようとした所を、兄上の前足に押え込まれてしまいました。
兄上の方が何回りも大きいので、抵抗出来ません。
そして、こじろうは、兄上のカゴに入れられてしまったのです。
Bに進みませう。
・・・・A→
兄上が、もう一つ萩の月を出してくれました。
喜んで食べていると、不意に、上から何かが被さって来ました。
顔を上げると、カゴの目が眼の前にあります。
兄上が、じとっと眺めているのが気に掛かります。
次の行き先は、Bです。
・・・・・・・・B→
「大丈夫。夜くらいは出してあげるから」
カゴを覗き込んで、兄上は、にこにこと笑っています。
大丈夫じゃないのでは、と思ったこじろうは、カゴから耳だけを出してぴるぴると動かしながら、うなだれてしまひまし た。
当分、帰る事は出来そうにもありません。
2→
「なに?」
不安になったこじろうは、その場で問い質してみました。
が、兄上は答えずにおいでおいでをしています。
こう言う時は、決まってロクな事がありません。
しかし、ここで逃げても、後でまずい事になってしまうかも知れません。
T.取り敢えず、逃げる。
U.諦めて、兄上の所に行く。→そのまま1へ。
T→
こじろうは、逃げようと思いました。
とてとてと逃げ始めましたが、慌てていたこじろうは、小十郎の掘っていた落とし穴に落ちてしまったのです。
近くに居たらしい小十郎が、上から覗き込んで来ます。
小十郎が苦手なこじろうは、すっかり怯えてしまいました。
うさぎ汁にして食べられてしまうかも知れません。
こじろうは、耳をぺったりと寝かし付けて、震え出してしまいました。
小十郎は、それを見て、頻りと感嘆しています。
手出しをしてくる雰囲気はありませんが、救けてくれる雰囲気も感じられません。
どうしますか。
一.もっと怯えてみる。
二.兄上に救けて貰う。
・・・・一→
こじろうがびくびくと怯えていると、不意に、小十郎が姿を消しました。
そして、戻って来て、ひょいと引き上げてくれます。
思わぬ事に、こじろうはひょこりと耳を立てました。
しかし、小十郎の手にあったものは・・・・・。
矢張り、うさぎカゴ・・。
・・・・二→
こじろうは、怖くなって、みーみーと懸命に兄上を呼びました。
声の聞こえる所にいたらしく、兄上も、顔を出してくれました。
兄上は小十郎の上司なので、もう安心です。
こじろうは安心して、耳をぴるぴると動かしていました。
それを見た兄上が、小十郎の方を見ています。
にやにやと笑っている辺り、嫌な予感がしますが、穴の中ではどうすることもできません。
「ここにフタして飼ってもイイかな・・・・」
「御意。では、フタを持って参りましょう」
小十郎が何処かに走って行っているようです。
帰れなくなったと直感したこじろうは、穴の中でちょこりと小さくなってしまいました。
安芸門徒様、××門徒様。
力作を、読ませていただきました(笑)
これで、立ち直れましたでしょうか?
しかし・・・どう転んでも、こじろう、哀れ・・(涙)
こじろう、どこにいても篭から出られないのですか?(涙)母上の元にいても、兄上のところにいても、カゴ?(泣)
それにしても、伊達小次郎は何故人気があるのか?という質問を受けたことがございます(笑)(矢古女)
しかし、何故こじろうが人気があるのでせう・・・・。
××氏に問い合わせた所、
1.ウサギだから。
2.早死にしたから。
3.邪推し易そうな存在だから。
との回答がありまして御座いまする。
安芸門徒にとっては、友人宅にあったヌイグルミのうさぎのコタローが何ともイメージ通りだったから、で御座いませう か。(泣)
※御協力・安芸門徒殿・ちょめ門徒殿(謝)