インデペンデンスディ1945シリーズ

●シリーズ作品
  ・インデペンデンスディ1945 EEGへ号(6号)
  ・海底軍艦1950             EEGト号(7号)

●作品の解説

 EEGの得意とする(?)超科学伝記物の真髄と言える作品がこのシリーズである(??)。
 まあ簡単に言うと映画インディペンデンス・ディを第二次世界大戦中へ持っていったらと言うトンデモ系の話で、ナチス・ドイツにより復活させられた超古代科学文明の遺跡である葉巻型の巨大飛行物体アンドロメダ・グレート號とアメリカ合衆国陸海海兵3軍のレシプロ戦闘機隊の戦いを扱ったソロプレイ用SWGである。
 ちなみに、そのゲームシステムはアドテクノス社のモンスター・タンクをベースとしている。
 また、続編の海底軍艦1950は、アンドロメダ・グレート号と大日本帝国陸海軍航空隊の戦いとなっており、日本軍に秘密兵器として海底軍艦轟天が登場する。
 また、本作品も他のEEG作品と同様にゲームバランスは敢えてプレイヤ側が不利となるようにしている。

○ナチス飛行戦艦アンドロメダ・グレート號

 本艦は、ナチス・ドイツがグリーンランド大氷河の永久氷壁下から発掘した超古代科学文明の巨大な遺跡、つまりオーパーツである。
 本艦を発見したナチス・ドイツは総統特命によりラスト・バタリオンと呼ばれる特別部隊を編成し、Z建艦計画の予算や巡洋戦艦グナイゼナウ、航空母艦グラフ・ツェッペリンの資材を流用して1945年4月までにこの巨大遺跡を空中戦艦として修復改造した。
 特に巡洋戦艦グナイゼナウは内外に損傷による廃艦との欺瞞情報を流布し、その間にカモフラージュして密かにグリーンランドまで廻航され、その武装や搭載装備をアンドロメダ・グレート號へ引き渡した。
 1945年4月に修復改造が完了した本艦は、ソ連軍の侵攻により陥落寸前のベルリン戦へ投入されたのを皮切りに、ヒトラー総統自らを艦長としてパリ空襲、ロンドン空襲、モスクワ反応弾攻撃、東大西洋海戦、フィラデルフィア沖海戦、ワシントン反応弾攻撃、ロス・アラモス襲撃と転戦しナチス・ドイツ逆転勝利の原動力となった。
 本艦は、約2万年前に地球規模の自然災害と世界戦争により滅亡した超古代科学文明の一大国である神聖アトランチス帝国が地球圏脱出のために建造していた葉巻型の火星調査移民船の1隻プリンス・オヴ・アトランチス号である。
 プリンス・オヴ・アトランチス号は、完成直前に何らかの理由により放棄され、永久氷壁下で眠っていた。
 しかし、超古代文明の存在を信じ、伝説や石版の解析を行っていた考古学者ウェゲナーと地勢学者カルー・ハウスホッファを中心としてナチスが密かに編成したオーパーツ調査隊により1937年にグリーンランド氷河の永久氷壁下で発見された。
 これまでに世界各地で発見された古代石版文字等を解読したところ、このアンドロメダ・グレート号の他に12隻の同型艦が建造されているらしいのだが、実際に存在が確認されている同型艦は、事故により地球圏脱出を失敗しトルコ北東部のアララト山山頂付近へ突き刺さる状態で墜落して溶岩溜まりの中へ埋没したキング・ノア・]V世号(ノアの箱船として有名)と小惑星帯に漂う大破したクイーン・ジョカT世の一部と思われる物体が確認されているだけである。
 また、この他にキング・ノア・]V世号と同様に地球圏脱出に失敗し現在の中東地域へ墜落し、後のバベルの塔伝説を生みだしたプリンセス・バベルと火星へ到着後連絡を絶ったと伝えらているキング・オヴ・アンゴルモア号、そして20世紀初頭にシベリア・ツングースカで謎の爆発を起こして消滅したデューク・オブ・ナスカーン号の消息が未確認ながら判明しているのみで、その他に南極の永久氷壁下や日本の四国剣山地下に埋もれているとする説や果てしない宇宙の旅を続けているとする説もあるが、以前として残りの7隻の実在の是非とその行方は未だまったくの謎に包まれている。
 修復改造が終わり飛行戦艦となったアンドロメダ・グレート號は、巨大飛行船LZ129ヒンデンブルク号を大きく上回る全長350m、質量2万トン以上の現文明史上最大の飛行物体であり、本来ならば最大速度M3.0以上の大気圏内反重力飛行能力と地球重力圏脱出能力、そして火星までの星間航行能力等の21世紀初頭の現代科学を持ってしても追いつけない絶大な能力を有していたらしいのだが、第二次世界大戦当時では当時世界最高レベルに達していたナチス・ドイツの科学力をもってしても解明できた能力は、最大速度M0.5程度までの低速反重力航行とホバリング能力のみであった。
 しかも、ナチスは武装が確認できなかったアンドロメダ・グレート号を兵器として運用するため船体へ艦砲をはじめとする各種火砲や艦載機用飛行甲板等を増設したため、それらの取付強度限界により最高速力はM0.3程度まで低下してしまった。
 しかし、当時の科学レベルで作られた兵器相手ならば最高速度がM0.3程度であっても戦艦並の武装と装甲を施された飛行兵器の存在は充分に圧倒的であり、無限に近い航続距離は驚異以外の何ものでもなかった。
 また、同時に艦内の格納庫から約120機のハウニブー飛行艇が発見された。この格納庫は1層が全長220m、幅40m、高さ6mもの広さを持つものが4層あり、合計で300機以上のハウニブーを搭載できる広さがあったのだが、残りの機体は搭載が間に合わなかったか、本艦からの離艦に使用されたものと予想されている。
 この広大な格納庫はヴリルやハウニブーの格納に使われただけでなく、ラストバタリオンのケッテンU歩兵戦闘車用格納庫や補助居住区等としても使用された。
 また、大改装後は船体上に離着陸用飛行甲板を増設したため、着陸甲板として使われていた第2層格納庫が搭載機格納専用となり搭載数が大きく増加した。
 このアンドロメダ・グレート号に対して西側連合軍は唯一の対抗手段として、当時技術進歩の頂点に差し掛かっていたレシプロ式航空機や実用化に成功した極初期のジェット式航空機を大量投入して、フランス上空、ロンドン上空、東大西洋上空、ワシントン上空の4ヶ所で決戦を挑んだが、それらの戦いも大気圏外飛行を目的とした船体強度による防御力と船体の各所へ戦艦グナイゼナウ号等から移設された高射砲、機関砲等の対空火力により大損害を受け敗退する結果となった。
 それでも空対空ロケット弾等の新兵器を用意して挑んだワシントン攻防戦ではアンドロメダ・グレート号へかなりの損害を与えている。
 また、アンドロメダ・グレート号にはグナイゼナウ号から移設された28p砲3門(後に6門に増設)を筆頭とする多数の火砲が装備されており、対地対水上砲撃力も強力なものであった。
 特に高空から大落角で撃ち下ろされる高速の28p砲弾の威力は壮絶で、東大西洋海戦では米本土へ脱出中のデューク・オヴ・ヨークとリナウンを撃沈し、フィラデルフィア沖海戦においてはアイオワ級戦艦の主砲塔天蓋を簡単に貫通して瞬く間に2隻を轟沈させ、残る2隻も大破させている。
 アンドロメダ・グレート号は、米国を降伏させたワシントン攻防戦で戦闘機の体当たり攻撃を含む猛烈な攻撃を受け反重力航行装置の重要な触媒物質であるオリハルコンが消耗し、そのままロス・アラモス襲撃やニユーヨーク大空襲と米国占領戦を転戦した上に無理矢理ドイツ本国まで帰還したため、完全にオリハルコンが劣化してしまい、その後数年の間は航行不能な状態に陥っていた。
 しかし、スコルツニーSS少将が率いる武装親衛隊の特殊部隊がトルコのアララト山近辺と南極で大英帝国諜報部員が指揮するユダヤ人ゲリラ隊や大日本帝国陸海軍集成特殊部隊を相手にした死闘の末にオリジナル部品を手に入れたことで、遂に1950年に復活した。
 ヒトラー総統は、このアンドロメダ・グレート號復活の報により、当時国交が極めて悪化していた大日本帝国との開戦を決意したと言われる。
アンドロメダ・グレート號は、航行不能に陥っていた5年の間にも総統の強い要望で武装等の強化がなされており、復活後直ちに大日本帝国との戦いに投入され、その威力を発揮した。
 アンドロメダ・グレート號は、支援の飛行船艦隊を率いて、大日本帝国の北米占領地であったカリフォルニア州、ワシントン州とハワイ諸島を短時間で制圧し、カリフォルニア沖とハワイ沖で、新型航空機や戦費賠償として米英から入手した艦艇で再編成された大日本帝国連合艦隊を簡単に打ち破った。
 その後、アンドロメダ・グレート號は、ヒトラー総統自らの指揮により大日本帝国の帝都東京を目指して太平洋を渡り、大日本帝国陸海軍航空戦力の全力を集中した小笠原最終防衛線へ突入し、ここに小笠原航空決戦が勃発した。
 この小笠原航空決戦でアンドロメダ・グレート號は、日本軍の最精鋭部隊である轟天震武隊や神風特別攻撃隊の秘密兵器である戦艦主砲弾並の威力を持つ誘導奮進弾桜花改の体当たり特攻を含む集中攻撃を受け、遂に飛行能力を失い太平洋上へ墜落し、日本海溝へと沈没して果てた。なおヒトラー総統はこの戦いで行方不明となっている。(この戦いの結果は実際には大日本帝国がアンドロメダ・グレート號と同様に古代超科学文明の遺跡を入手して開発した轟天型飛行戦闘艦の活躍による物だが、大日本帝国政府は公式には轟天型の存在を認めず、このような記録となっている)

 全長:約350m / 全幅:約65m
 基本質量:20000トン / 航続距離:無限大
 最大速度:約350q/h / 巡航速度:約280q/h
 実用最大高度:約8800m  / 乗員:約3000名
 搭載機:約200機(ヴリル、ハウニブー等)
  武装:28p砲3門、他武装多数
  その他:ラストバタリオン装甲擲弾兵旅団1
         (兵員約3500名、ケッテンU約120両)


○ハウニヴー・シリーズ

 グリーンランドの永久氷壁下から発掘されたアンドロメダ・グレート号(プリンス・オヴ・アトランチス号)の内部へ格納されていた円盤形多目的飛行艇をナチスのラスト・バタリオンが改造した戦闘攻撃機である。
 ハウニヴーは、もともと神聖アトランチス帝国により地球及び火星での大気圏内交通機関として開発された内火艇的運用をする飛行機材で、戦闘用の機材では全くなく言うなれば飛行自家用車である。
 また、インドの古代神話に登場するヴィマナはこのハウニヴーの事であると推測されている。
 このハウニヴーは一般の交通/作業用飛行機材として用意されていただけあって極めて簡単で安定性の高い操縦方法と大きなペイロードを持つ反重力飛行艇であった。
 本機はアンドロメダ・グレート号に約120機が搭載されていたが発掘時点での稼働機は約80機だった。
 ラストバタリオンはそれらに多数の武装を施すことで戦闘攻撃機として生まれ変わらせる事に成功した。
 40機以上が改造された戦闘攻撃機型は、対空攻撃用兵器として30mmチューブランチャや15mm機関砲、有線誘導式対空ミサイルを装備し、対地用兵器として戦車砲、爆弾、対戦車ミサイル等を搭載している。
 中でも特に戦車砲は、主にX号中戦車に搭載されていた長砲身75o砲を改良した物をX号F型中戦車のものに類似した形状の旋回式砲塔へ搭載し、飛行艇底面に逆さまに取り付けていた。
 また、この他に戦闘攻撃機型の試作機としてティーガT用の88o砲を搭載した型や派生型として37o連装機銃または20o4連装機関砲を搭載した地上掃射型、マイクロ波レーダを装備した早期警戒機型もあり、それぞれ数機が改造され実戦に投入されている。
 輸送艇型は、砲塔の代わりに機体下面へカーゴブロックを増設して兵士や軽戦車、貨物等を運搬できるようにしたもので、30機以上が改造された。この輸送艇型は1機当たり1度に1両のケッテンU歩兵戦闘車と3個分隊の歩兵を最高速力400q/hで輸送できた。
 また、特別型として輸送艇型を改造した要人運搬型が数機あり、特にヒトラー総統が愛用したアンタークティカ号(南極号)は、内装こそ押さえられてはいたが通信設備等は極めて高価で高性能なものが搭載されていた。



○ケッテンU歩兵戦闘車

 ケッテンUは、第二次世界大戦末期にドイツ陸軍で開発されていたケッテン装甲兵員輸送車を再設計して開発されたハウニブー輸送艇で運搬できる降下作戦用の総軌式小型装甲歩兵戦闘車で、ラスト・バタリオンの主力戦車としてベルリン戦やアメリカ制圧戦で大活躍した。
 本車は、U号軽戦車とV号中戦車の中間に位置する小柄な車体であったが20mm機関砲と88mm無反動砲を各1門装備した小型砲塔を搭載し、車体後部へはMG42機関銃に加えレッド・キャップ有線誘導対戦車ミサイルを最大2発まで搭載できるため中近距離では中戦車並の火力を有していた。
 特にレッド・キャップ対戦車ミサイルはHEAT弾頭による強力な装甲貫通力を持ち、有効射程も1200mに達したため連合軍主力戦車との交戦が充分に可能な性能を持っていた。このレッド・キャップ対戦車ミサイルは、対日戦時には有効射程が2000mをこえる新型のブラック・キャップ対戦車ミサイルに更新されている。
 また、これらの武装に加えて歩兵を最大7名まで搭乗させることができ、母機であるハウニヴーや航空支援部隊との綿密な連絡のために通信機器も強化されていた。
 ケッテンUは用途に応じて多くのバリエーションがあり、特に指揮通信型、迫撃砲搭載型、弾薬運搬型、野戦救急車型、対空型は多数が生産された。ちなみにアンドロメダ・グレート號にはハウニヴー輸送機型約30機に対して、このケッテンUは各型合計約120両が搭載されていた。 このためハウニヴー輸送機型はしばしばピストン輸送にかりだされたと言う。
 また、限定生産型としては砂漠戦型と寒冷地戦型が代表的で、特に寒冷地戦型はオリハルコン奪取のためにスコルツニーSS少将指揮下のラストバタリオンがアララト山と南極で使用したため有名である。これらの戦いでケッテンUは英国製のクロムウェル巡航戦車(最高速度60q以上、75o砲装備)は日本製の特7式内火艇(水陸両用戦車、47o速射砲と25o重機関砲を装備)と交戦し、敵戦車を圧倒している。
 ちなみにケッテンU歩兵戦闘車は設定こそされているもののゲームには登場しない。

付記 ハウニブー装甲降下猟兵小隊の編成
      
第1分隊 ケッテンU装甲降下猟兵分隊
 01.車長(分隊長兼務)
 02.操縦手
 03.砲手
  1.小隊長
  2.小隊副官
  3.小隊通信兵(車両無線手兼務)
   4.対戦車兵(対戦車ミサイル操作)
   5.弾薬兵(車両装填手兼務/ATM操作支援)
  6.機関銃兵(MG42LMGおよび車載機銃)
  7.弾薬兵(装填手兼務/LMG弾薬)

第2、第3分隊  降下猟兵分隊
  1.分隊長
  2.副分隊長
  3.分隊通信兵
   4.対戦車兵(パンツァーシュレック)
   5.弾薬兵(パンツァーシュレッケ弾薬)
  6.機関銃兵(MG42LMG)
  7.弾薬兵(LMG弾薬)
  8.機関銃兵(MG42LMG)
  9.弾薬兵(LMG弾薬)
 10.対空兵(フリーガファウスト)

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