空母瑞鶴航空隊血風録シリーズ

●シリーズ作品
・激闘!南太平洋!!   ・四国沖の死闘
・マリアナ沖の死闘    ・比島沖の奇跡
・珊瑚海海戦       ・IF戦記
・ミッドウェー海戦    ・戦艦 対 航空機 マレー沖海戦(EEGニ号付録)
・インド洋海戦      ・外伝 ラバウル烈風空戦録

●作戦の解説

 このシリーズはEEG作品でもっとも歴史の古いシミュレーションゲームのひとつで、SSシリーズの「ミッドウェー海戦」を原型とした空母戦ゲームである。
 まあ80年代末期の架空戦記物ブーム以前にスタートしたシリーズなので「零戦の後継機である烈風が登場していたら」とか「雲龍型空母の完成が速まっていたら」や「大鳳に同型艦があったら」と言ったIf物はあっても、EEGが考えた全くの架空オリジナル兵器の登場は今回登場する扶桑型改造案位で極めて少ない。
 ただし、EEGオリジナルではないものとしては、シリーズ後期に当時の大ヒット仮想戦小説「ラバウル烈風空戦録」をゲーム化した「外伝 ラバウル烈風空戦録」や、その他の仮想戦小説の設定や兵器をゲーム化した「IF戦記」が登場している。
 また、その他に当時に考えられた御約束超兵器としてタイムスリップしてくる原子力潜水艦やまと(シーバット)、イージス護衛艦こんごう、原子力空母ニミッツとその艦載機、そしてアンドロメダ・グレート号とハウニヴーなんてのが登場している(シナリオは無し)。



○扶桑型戦艦防空改造案

登場作品:空母瑞鶴航空隊血風録6 四国沖の死闘

 最高速力25.3ノットの伊勢型がレイテ沖海戦において機動部隊の直衛に参加しているので、最高速力24.7ノットの扶桑型も機動部隊の直衛に、特に隼鷹、飛鷹の直衛なら可能だろうと言う安直な考えでゲームに登場させた扶桑型戦艦の防空力強化型です。
 ちなみに「四国沖の死闘」の設定は台湾沖航空戦の結果、洋上航空戦力を失った帝国海軍が捷一号作戦(レイテ沖海戦)を発動しなかった代わりに、昭和20年4月に沖縄へ侵攻してきた米軍艦隊を迎え撃って四国沖で戦う仮想戦が中心の作品で、超巨大装甲空母信濃や空母瑞鶴、天城、葛城、隼鷹と言った空母や艦載型紫電改や流星と言った航空機が活躍する空母戦SWGです。
 扶桑型戦艦に付いての当時の設定は、「南太平洋海戦の結果米空母が全て作戦不能になった隙を突き、船団護衛と飛行場砲撃のためソロモン海域へ派遣された扶桑はガタルカナル島近海で夜戦に巻き込まれ、加えて撤退中にヘンダーソン基地からの航空機に爆撃されて艦中央構造物や第3、第4砲塔に大きな損害を受けた。
 辛うじて本土まで帰り着いた扶桑は、このソロモン戦での損害の修復時に航空戦が主役となった戦況に対応して破壊された第3、第4砲塔を廃止し、そこに高角砲を増設するとともに船体の各所へ対空機銃を増設し、加えて対空用奮進弾発射機までが増設され、12.7糎連装高角砲10基20門、25粍機銃計60門、対空用奮進弾発射機8基を装備する対空任務艦として再就役した。
 また、大きな損害を受けていなかった山城も扶桑に準ずる改装を受け、扶桑型2隻は大和や武蔵と共に昭和20年春までに信濃、隼鷹を主力とする第2機動部隊の直衛艦となった」と言った感じです。
 まあ、日本軍艦艇には根本的な問題点があり、これほどの対空火力増強を実施しても、艦隊防空に寄与できる効果が小さいのですが扶桑型の使い道としては空母に改造したりするより良いかなと思います。
 ただし、使わないと言うのも良策のひとつだと思えるところが最大のライバルです。



○装甲空母海鳳

登場作品:空母瑞鶴航空隊血風録2 マリアナ沖の死闘

 日本初の装甲空母大鳳に同型艦が有ったらと言うことで設定された航空母艦で名称は超大型空母轟天やイタリア戦艦レパント級と並んで1980年代末頃にデザインされたEEGオリジナルの架空戦物SWG(未発表)に早々と登場していますから戦艦EEGオリジナル兵器の最古参艦のひとつです。本作品においても大鳳型2番艦と言うことで名称を流用しました。
 また、史実において大日本帝国海軍が開戦後に戦力化できた大型正規艦は、開戦前から建造に着手していたものを加えても戦艦武蔵、空母大鳳、雲龍、軽巡大淀そして枠を少し拡大して空母隼鷹と飛鷹程度なんですから大鳳型の2番艦が簡単に登場すると言うのも考えようなんですが、物の本によると戦後の米国戦略調査団のメモに「陸海軍の対立による物資活用の阻害、熟練労働者の徴兵、戦略爆撃に対する非計画的な産業疎開、大本営発表等の戦局秘匿による産業界の統制失敗」等と言った問題がなければ史実の3倍以上の国力が発揮できた筈だとするものまであるそうです。
 太平洋戦争と言うと日本は国力が無かったからと言った話が出てきますが、国家指導層(政府、軍部、官僚の全で)が率先して少ない国力を一段と低下させていたのですから困ったことです。このこともあり私は太平洋戦争における大敗の原因は、国力(物量)の差でも、科学力の差でもなく大日本帝国と言う国家の指導システムが米国のそれに大きく劣ったからだと考えています。
 これで太平洋戦争に勝っていたら詐欺ですね。
 戦争と言うのは(その他でも同じですが)勝つ条件の揃った戦争に負ける事は有っても、負ける条件の揃った戦争に勝つことが無いのが常識です−閑話休題−。
 ですから、まあ3倍云々は眉唾としても当時の日本指導層がもう少し真面目に戦争をやっていれば空母数隻や烈風の開発位は成功していたんじゃないかと考えました・・・やっぱり難しいかな?それに、それで歴史が代わる程に日米の格差が小さいわけでもありませんから。
 もう、10年以上前に考えた話なのですが、今でもそんなに違わないなと思っています。
 ちなみにこの海凰の性能はおおよそ大鳳と同じで、マリアナ沖の死闘では大鳳に遅れること数ヶ月で起工され辛うじて就役がマリアナ沖海戦に間に合った事になっています。そのためゲームでは登場しないことも多いです(ランダムに決定)。また、艦載機は烈風または零戦、彗星、天山と言った当時の第一線機が搭載されています。


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