雑誌の配達(郵便局と宅配便業者)


一体、何が「郵政民営化」なんだろう? 便利になったことは、ひとつもない。「余程のことがない限り、もう書くことはないだろう」と思っていたのだが、その「余程のこと」が起きてしまった。今回は「独り言」への、緊急参戦である。

2004年9月15日(水曜日)の午後2時半頃、郵便物の確認に(新潟大学理学部生物学科の)事務室に行くと、私が購読している国際専門誌のひとつ「Herpetologica 60(3)、2004年9月号」と「Herpetological Monographs 18、2004年号」が届いていた。「もう、9月号が届く季節になったんだなあ」と思いながら、また不安が脳裏を過(よぎ)るのであった。「結局、6月号は届かなかったなあ」と......。

いつもは遅れて届く「Herpetological Review 35(2)、2004年6月号」は、なぜか今回は、6月の時点で届いていた。そして、9月16日(木曜日)には「Herpetological Review 35(3)、2004年9月号」が届いた。

今回の「独り言」をアップした9月18日(土曜日)の時点で、まだ私の手元に届いていない雑誌は「Copeia 2004(2)、2004年5月号」と「Herpetologica 60(2)、2004年6月号」と「Journal of Herpetology 38(2)、2004年6月号」の3誌である。この中で「Copeia」は、例年なら3号が8月に発行されるので、下手すると2号も3号も配達されないで終わってしまう可能性がある。

今回、無事に届けられた雑誌に共通しているのは、いずれも「郵便局による配達である」という事実である。郵便局による配達では、これまで何度も書いたように「雑誌の宛名書きには、日本語のラベルが貼られていない」のが特徴である。こうなって来ると「宅配便業者が取り扱っている雑誌は、私のところには配達されていないのではないか?」と、変に勘ぐりたくもなってしまう(1)。

雑誌の国内配達に関しては、これから先も難問が山積している。その中でも一番の問題は、雑誌が届かなかったときの責任の所在が曖昧なことかもしれない。日本郵政公社が誕生する以前は、郵便局が全責任を持って雑誌を配達してくれていたし、もし万が一、雑誌が届かなかった場合でも、誠意ある対応を見せてくれていた。ところが、宅配便業者が雑誌の国内配達に参入してからは「どこが配達しているのか?」すら分からず、雑誌が配達されてみて初めて「どこが配達したのか?」が分かるような状況なのである。従って「故意や過失による事故で雑誌が届かなかったとき、どこに話を持って行けば良いのか?」が、はっきりしない。それが「郵便局なのか、佐川急便なのか、ヤマト運輸なのか?」を知る術がないのである。ただ、ひとつだけ、はっきりしていることがある。

宅配便業者が雑誌の国内配達に参入する以前は「雑誌が届かない」ということは、皆無に等しかった。

[脚注]
(1) 自分なりに、問題点を考えてみた。これまで「独り言」で色々と注意を喚起している私への嫌がらせとして「宅配便業者が雑誌の配達を全うしていない」というようなことは、可能性としては無きにしもあらずだが、ここでは考えないことにしよう。仮に「宅配便業者が雑誌の配達を全うしている」として、配達のシステムに問題はないのだろうか? 一般家庭へ配達される雑誌の類いは、郵便局、宅配便業者のいずれでも、郵便受けに入れられるのが普通である。しかし、大学は土日・祝日が休みなので、郵便局による配達は平日のみで、しかも学部の事務室へ直接、大量の郵便物を運び込む。土日の分は月曜日、祝日の分は翌日の配達である。これに対し、宅配便業者は土日・祝日にも配達するのだが、どうも配達の仕組みが異なっていること自体に、大きな落とし穴がありそうである。大学の各学部には郵便受けが設置されていないので、宅配便業者による土日・祝日の配達は、玄関先の新聞受けを利用したものである。この新聞受けは鍵をかけることがないので、誰でも勝手に雑誌を持って行くことが可能である。また、真偽のほどは定かではないが「宅配便業者は、雑誌の類いの配達を新聞配達所に依託している」という話も耳にする。「そのほうが、自分達で配達するより低コストだから」という理由らしい。要するに「宅配便業者が取り扱う雑誌の類いは、毎日の朝刊と一緒に配達される」ということのようである。これでは、故意や過失による事故で、雑誌が届かなかったとしても、何ら不思議ではない。


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