これは、現在まで深く付き合ったことのある彼女全員から、異口同音に言われた言葉である。また、母親が昔の思い出としてよく聞かせてくれたのが、私が小学校低学年の頃の学級担任から言われたという、次の言葉である(私自身は覚えていないのだが......)。
(体育館やグランドで)子供たちを遊ばせていると、いつも誰かの視線を感じる。その視線を探ってみると、いつも正人くんがジッとこっちを見ている。「あぁ、私はこの子に観察されているんだ。この子の前では、おかしなことは出来ないなあ」と、いつも緊張感を持って子供たちを指導していた。
周りの人間を観察する癖は、子供の頃からあったようである。私は読心術の類いは信じない口だが、実は私自身「相手の心が手に取るように分かる」という経験が少なくない。だから、昔から「表面的に取り繕っていても、邪悪な心を持つ人間」というものがすぐに分かってしまい、そのような人間とは、なるべく関わり合いにならないようにしている。このような、私が相手と距離を置く理由(わけ)を理解できない方は圧倒的に多く、そのことで生じた誤解には計り知れないものがある。