派手さはない。爆発するものもない。そのため、目立つこともない。でも、少しずつ、本当に少しずつだが、着実に仕事をこなしていく。毎日毎日が、この積み重ねである。人生をトータルで考えたとき、この継続性が、最後には物を言う。
これに対し、一時的に爆発して物事を進めることのできる人の場合、ある程度の成果は、ぽんと出て来るものである。でも、その後が続かない。そのような人が多い。
この対極にある二つの気質を、世間は、どう評価するのだろう? また、私なら、どう評価したらいいのだろう?
私の理想としては、地道にコツコツと仕事を続け、最後に大きな実を結ぶほうを取りたい。これが認められて、国際的に高い評価を得られるのなら、それに越したことはない。
でも、そのような理想を言えるのは、毎日の生活を心配する必要のない人だけで、ちゃんとした生活の糧がない私には、これを語る資格などないのかもしれない。
[脚注]
(1) 山形の人間は「冬の間は雪に閉ざされて身動きがとれない」という昔日の気候風土のせいで、じっと人生を堪え忍ぶようになってしまったのだと思う。山形の言葉は、この風土が育んだ賜物なのかもしれない。