これが、一般的な米国企業の採用方針である。このような企業は、先進国の中でも依然として喫煙人口の多い日本では、成り立たないのが現状かもしれない。また、このような方針が採用条件に盛り込まれるのは、高カロリー食品が多く、そのため肥満体の人も多い米国ならではのことかもしれない。だから「これは、日本には馴染まない」と言ってしまえば、それまでのことである(外資系の企業では、この方針が徹底しているらしい)。
でも、喫煙が人体に及ぼす害はよく知られているし、肥満もまた様々な生活習慣病を引き起こす確率が高い。有害だと分かっている煙草を、なぜ吸うのか? また、肥満で病気になる危険性を、なぜ少しでも減らそうとしないのか?
自分をコントロールできないような人は、私たちの会社には必要ない。
はっきり言って、これは差別である。でも、これが米国企業の言い分なのである(1)。
[脚注]
(1) 喫煙者の言い分は、色々あるだろう。しかし「その何れもが、非喫煙者に迷惑を及ぼしている」という事実に思い至る知性さえ備わっていれば、煙草を吸うという行為に対して、喫煙者が罪悪感を覚えることも可能なはずである。ところが、喫煙者の中には「私は『喫煙所(分煙機の側)』で煙草を吸っているし、誰に迷惑を掛けているわけでもない」と言い切る人もいる。このような、なんの自覚もない喫煙者に、煙草を吸うのをやめさせるためには「喫煙が原因で病気になった人の医療費は、全額自己負担とする」という法律が、本当は必要なのかもしれない。