これが還付金として確定申告で戻ってくるというのだが、税務署までの交通費、税務署での手続きの煩わしさ、それによる時間の浪費(半日つぶれる)等々の理由から、引かれ損になっているのが現状である。
これ以外にも、雑誌「生物科学」1995年1月号に和文の総説が掲載されたときは、稿料の21,000円から1割の源泉徴収税額(2,100円)が引かれた金額(18,900円)を発売元の「岩波書店(1)」から受け取っている。しかし、これも同様に引かれ損になってしまった。
雑誌「科学朝日」1990年9月号「みんなの広場」への投稿意見が採用されたときは、5,000円の謝礼金をいただいた。原稿料としてではないので、ここから1割の源泉徴収税額が引かれることはなかった。
雑誌「採集と飼育」1984年5月号に和文の報告を書いたときは、稿料の代わりに図書券をもらった(それが2,000円だったか、3,000円だったか、記憶にない)。
以上が、これまで私が物を書いて稼いだ、お金の全てである(2)。この中で、これから単行本化される可能性のあるものは、雑誌「遺伝」の「生き物の不思議」シリーズだけである。印税生活は、取り立てて狙っているわけではないが、夢の、また夢というところかもしれない。
[脚注]
(1) 岩波書店は、この号を最後に「生物科学」から撤退し、その後の発売元は、農山漁村文化協会(農文協)になっている。
(2) 一般に学術論文の場合、出版社から著者に稿料が支払われることはなく、逆に掲載料の一部負担や、超過ページ料金が請求されることが多い。