アルシアンブルー(pH2.5)・過ヨウ素酸シッフ(PAS)重染色法


過ヨウ素酸シッフ(PAS)反応は、中性多糖類と酸性多糖類を検出するための方法である。pH2.5アルシアンブルーとPASの重染色法を使用すると、中性ムコ多糖類はシッフ試薬で赤く染まり、酸性ムコ多糖類はアルシアンブルーで青く染まる(雄の腹腺)。以下の操作は、全て室温(24℃前後)でおこなう。

[脱パラフィン]
(1) キシレンのダウン I: 10分
(2) キシレンのダウン II: 10分
(3) 100%エチルアルコール(=エタノール)のダウン I: 10分
(4) 100%エタノールのダウン II: 10分
(5) 90%エタノールのダウン: 10分
(6) 70%エタノールのダウン: 10分
(7) 蒸留水(=D.W.): 5分

[染色]
(1) 3%酢酸水(1): 2分
(2) pH2.5アルシアンブルー: 1時間
(3) D.W.: 30秒
(4) 3%酢酸水(2): 30秒
(5) D.W.: 30秒
(6) 0.3%炭酸ナトリウム水溶液: 20分
(7) D.W.: 30秒
(8) 0.5%過ヨウ素酸水溶液: 7分
(9) 流水洗: 5分
(10) D.W.: 30秒
(11) シッフ試薬: 10分
(12) 亜硫酸水で洗う(1): 3分
(13) 亜硫酸水で洗う(2): 3分
(14) 亜硫酸水で洗う(3): 3分
(15) 流水洗: 5分
(16) D.W.: 30秒

[脱水・透徹]
(1) 70%エタノールのアップ: 10分
(2) 90%エタノールのアップ: 2分
(3) 100%エタノールのアップ I: 3分
(4) 100%エタノールのアップ II: 5分
(5) クレオソート・キシレンのアップ: 5分
(6) キシレンのアップ I: 5分
(7) キシレンのアップ II: 10分
(8) 24×45〜55mmのカバーグラスで、カナダバルサムとキシレンの混合溶液6〜7滴に切片を封入

[各溶液の組成]
(1) pH2.5アルシアンブルー(200ml): 氷酢酸(6ml)をD.W.(194ml)に加え、それからアルシアンブルー8GX(0.2g)を溶かす。リン酸ナトリウム緩衝液で、この溶液をpH2.5に補正した後、粉末状のチモール(防腐剤)を少量(耳かき1杯程度)加える
(2) リン酸ナトリウム緩衝液: リン酸ナトリウム・12水塩(7.16g)をD.W.(100ml)に溶かす
(3) シッフ試薬(200ml): D.W.(200ml)を沸騰させる。火を止めてから、塩基性フクシン(=パラフクシン: 1g)をこのD.W.に加える。そこでは、塩基性フクシンが徐々に溶解していく。塩基性フクシンを完全に溶かすため、更に5〜10分間、この溶液を沸騰させる。この溶液を室温で50℃まで冷ました後、濾過する。この溶液に1規定塩酸(20ml)を加え、それから浮遊物を溶かすために溶液を撹拌して混ぜ合わせる。水道水を流して、この溶液を25℃まで冷ましてから、亜流酸ナトリウム(1g)を溶かす。使用前に、この液を冷蔵庫で2〜3日間、保存する(液の色は
オレンジになる。遮光のための覆いが必要)。この液の色が赤みを帯びてきたら、作り直す必要がある
(4) 1規定塩酸(100ml): ある程度の量のD.W.に37.2%塩酸(8.35ml)を加え、それからD.W.を100mlまで増やす
(5) 亜硫酸水(600ml): 10%亜硫酸ナトリウム(36ml)に1規定塩酸(30ml)を混合し、それからD.W.を加えて全量を600mlとする。亜硫酸水は使用直前に作製する
(6) クレオソート・キシレン(200ml): クレオソート(50ml)をキシレン(150ml)と混合する


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