(A) クロサンショウウオの1個体の、右前肢を背中側から見たもの。この前肢は3本の手で構成されている("a"で表される右手、"b"で表される右手に対称的な左手、"c"で表される矮小手)。この矮小手には指が3本ある。
(B) 図Aのエックス線写真。
(C) トウホクサンショウウオの1個体の、右側にある2つの後肢(左右対称を示す多肢)を背中側から見たもの。正常な位置にある右後肢は、"a"で表される右足と、"b"で表される右足に対称的な左足を持つ。これらの足では、第1趾が互いに融合している。"c"で表される左後肢のような対称的な後肢は、右後肢の基部から枝分かれしている。この対称的な後肢の足では、第3趾が短い。
(D) 図Cのエックス線写真。
例えば多肢のような両生類の奇形は、発生過程(卵の過熟、遅延受精、そして傷害からの過剰再生など)や環境汚染(受精卵への熱ショック、受精卵への放射線や紫外線の照射、そして恐らくは繁殖水域に溶け込んだ化学物質に受精卵がさらされることなど)に由来すると考えられている。