2003年7月3日、20個よりは多いモリアオガエルの泡巣が、池の上に張り出している木の枝や、池に倒れ込んでいる木で認められた。このとき池の周りでは、数匹のオスによる一連のコーラス(メーティングコール)が、はっきりと調和して聞こえた。モリアオガエルのオタマジャクシが何匹か池から採集されたが、クロサンショウウオの幼生はいなかった。これは想定外であった。なぜなら当の池には、毎年、クロサンショウウオの卵嚢700〜800対が産出され、年によって変動するけれど、越冬幼生も普通に生じるからである。
この場所から近い別の繁殖池では、同じ日に、クロサンショウウオの幼生とモリアオガエルのオタマジャクシが多数みられた。この場所とほぼ隣り合っている渓流には、ハコネサンショウウオとタゴガエルが生息している。ハコネサンショウウオの2〜3齢の幼生を数匹、同じ日に渓流から捕獲した。