尾椎骨

NormalCartilage
PartialBone
Fragmentary

トウホクサンショウウオの正常尾と再生尾のエックス線写真(A-C: スケール=5mm)、及び再生尾の横断切片(ヘマトキシリン・エオジン染色; D-E: スケール=0.5mm; Hasumi and Iwasawa, 1987)。b=骨組織、c=軟骨、cc=軟骨様細胞、d=皮膚腺、m=筋組織、s=脊髄、v=血管。

(A) 正常かつ完全な尾椎骨を持つ正常尾。尾の先端や尾ひれのほんの一部が失われていることがある。

(B) 尾椎骨が部分的か、または全くない再生尾(図Dを見よ)。

(C) 尾椎骨が不完全か、または断片的な再生尾(図Eを見よ)。

(D) 尾椎骨が全くない再生尾の横断切片。軟骨が脊髄を取り囲んでいるのが観察される。

(E) 尾椎骨が断片的な再生尾の横断切片。軟骨様細胞や断片的な骨組織が認められる。

再生尾は外見上、正常尾と区別することができない。産卵場所の流れが速いところでは、外見的に壊れている尾や、再生尾を持つ個体の出現する頻度が高かった。このことは、サンショウウオ科の止水性の種のひとつである、トウホクサンショウウオの繁殖期の成体が、それほど流水域に適応しているわけではないことを示唆している。


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