仏果山(ぶっかさん、747m)、 高取山(たかとりやま、705m)

(神奈川県)

相模原市北公園から見た仏果山と高取山

2011年3月4日(金)
大棚沢広場駐車場〜仏果山〜高取山〜大棚沢広場駐車場

宮ケ瀬ダム・大沢棚広場駐車場〜901仏果山登山口〜1018宮ケ瀬越〜1045仏果山1113〜1134宮ケ瀬越〜1151高取山1215〜1224宮ケ瀬越〜1302仏果山登山口

 今年最初の山行は、丹沢の前山・仏果山である。
 仏果山という名前は時々聞いていたが、実は最近までどこにあるのか知らなかった。しかし、調べてみれば何のことはない。我が家から見える山ではないか!

 我が家から丹沢山や蛭ケ岳の山頂が見えるが、手前の山が大半を遮っている。「あの山さえ無ければもっと展望が良いのに!」とさえ思っていたが、その前山の一部が仏果山だと知って驚いた。

 仏果山は、『室町時代のはじめ、清川村煤ケ谷(すすがや)にある正住寺を開いた仏果禅師がこの山で座禅修業をしたことが、山名の由来とされている』、とBIGLOBE百科に書いてあった。「あんな山さえ無ければ・・・」などと言っては仏果禅師に申し訳ない。

 この山は、冬眠ボケの私にはちょうど手頃のようだ。天気も良いので早速出かけることにした。
 宮ケ瀬ダムの大沢棚広場へ8時45分着。この駐車場は平日でもすぐに満車になってしまうと聞いていたが、車は2台しかなく調子抜け。この駐車場は釣り人の利用が多いというから、登山者は私一人だけかもしれない。こんなクソ寒い時に山へ登るバカはいない、ということか。

 広場の入口には、「開閉時間、午前8時〜午後5時」と書いてあった。ここはあくまでも広場内の駐車場なのでご注意を!

 駐車場からは湖面越しに丹沢の主峰・蛭ケ岳が見える。今日は最高の登山日和になりそうだ。
 駐車場から厚木方面へ50〜60mほど歩くとバス停があり、そこが仏果山の登山口である。


(駐車場から見た蛭ケ岳)

(左奥のバス停が登山口)

(このバス停から階段を登って行く)

 まずは階段を登り、なだらかな道を20mも行くと登山者カード記入場所があった。早速、登山者カードを記入する。
 ここには、「山ビル、ご注意!」という看板と、「ヤマビルキラー」と書かれた容器が置いてあった。

 心配した雪もなく、桧林の中のなだらかな道を歩いて行く。右下には宮ケ瀬の湖面が光っている。左手はシカ用の防護ネットが張られていた。

 登るに従って霜柱が現われて来た。しかし、足元が滑るようなことはない。

 それにしても熊の心配がないというのは、これほど気楽なものか。ほとんど単独行の私はいつも熊に怯えているが、この辺には熊はいないだろうし、いたとしても今は冬眠中である。それに、ヘビも山ビルもこの季節はいない。
 先ほど「この時期に登るバカは〜」と書いたが、ここ丹沢山系は冬に登るのが一番いいと私は思っている。

 30分も登って斜面が緩やかになると、小さな祠があった。ここでジャンバーを脱いでいく。

 遊歩道のように整備されたなだらかな道を、木漏れ日を浴びながら歩いて行く。一帯はもの音一つしない不気味なほどの静寂だ。

 尾根へ出ると分岐になり、一方に「水源の森林づくり管理作業路」の標識とトラロープが張られていた。

 小さなピークに立つと、右手の樹木の間から仏果山らしき山が見えた。そして、そこから急な階段になった。まあ、この程度の急登ならどこにでもあるのだが・・・。

 その急登を登り切った所に、電波設備らしい白い建物があった。そして今まで桧に遮られていた左手の展望が一気に開ける。正面に見える本間ノ頭の右に蛭ケ岳、左に丹沢山、塔ノ岳など主だったピークが青く澄み渡った空にズラリと並び立って見えた。

 すぐ近くにベンチがあったが、休まずそのまま進んで行った。ここからもひと汗かかされる。後ろから来た50代の男性に一気に追い越された。

 宮ケ瀬越へ10時18分着。標識に「標高663m」と書いてあった。ということは仏果山が747mだから、あと84mということになる。

 まずは右へ曲がって仏果山をめざす。標識から15mも登ると右手にベンチがあり、左正面に仏果山の展望台が見えて来た。

 小さなピークを2,3越え、20〜30m下って鞍部へ出る。そこから左正面に見える仏果山へ右から巻くように尾根を登って行く。2、3の小さなピークを越えて直下まで来ると、山頂から人の声が聞こえて来た。

 最後の登りで、途中で追い越された50代の方と会った。「最高の展望ですよ! 金峰山まで見えましたよ!」と言って下って行った。

 山頂へ10時45分着。誰もいなかった。先ほど聞こえた話し声の主は反対側へ下ったようだ。

 山頂には標識やベンチ、小さなお地蔵さんもあった。何はともあれ名物の展望台へ登ってみよう。展望台からは東京スカイツリーが見えるらしいから・・・。
 展望台は階段の一気の登りである。この階段が今日の登りで一番きつい。

 (写真は山頂からの展望台。展望台というより展望塔である)

 展望台からはまさに360度の展望だった。まずは東京スカイツリーを探す。あった!都心の高層ビル群の中にひときわ高い東京スカイツリーが見えた。3月1日に高さ600mを超えたはずであるが、少しモヤっているのが残念だ。


(仏果山からの東京スカイツリー。見えない方は→こちら

 それに比べ、反対側の丹沢山塊は全くモヤがなく、クッキリと大パノラマが広がっている。左手の大山から塔ノ岳の稜線、そして丹沢山、蛭ケ岳、さらには黍殻(きびがら)山や焼山が目の前にズラリと並び立って見えた。

【拡大してご覧下さい】

【丹沢のパノラマ】

 目を少し右へ転ずれば、大菩薩嶺や甲武信ケ岳、雲取山まで見える。しかし、先ほど下って行った御仁が「金峰まで見える」と言っていたが、金峰山は分からなかった。

【拡大してご覧下さい】

【秩父・奥多摩方面】

 さらに右手には相模平野が広がり、遠くに東京スカイツリー、さらに相模湾の江の島まで見えた。こうして見ると相模平野が一望できるということは、我が家からこの山が見えても何の不思議もない。

 この山は展望の良さが魅力だというが、それに偽りはなかった。360度の展望を充分楽しんでから展望台から降りた。
 ベンチに座り、コンビニで買って来たオニギを食べていると、オジさんが一人登って来た。

 私が一服している間に、そのオジさんは下って行った。私もボチボチ下ろう。11時13分下山。
 宮ケ瀬越をめざして下って行くと、途中で軽装の女性2人組に会った。空身同然の2人を見て驚いたが、ここはそれだけ登山道が整備されているということなのだろう。

 鞍部まで来ると、先ほどのオジさんが弁当を広げていた。普通、展望がいい山頂で弁当を食べる人が多いが、鞍部で食べる人は珍しい。

 少し登ったピークから高取山が見えた。ピラミダルで格好いい。山頂の展望台も見える。あの展望台からは南アルプスの甲斐駒が見えるというから楽しみだ。
 再び宮ケ瀬越へ着いた。11時34分。

 ここからは宮ケ瀬へ下る道を左に見送って真っ直ぐ進んで行く。右手に相模平野、左手に宮ケ瀬ダムを見下ろし、ダムの上に並び立った丹沢山塊の峰々を仰ぎながら歩いて行く。

 高取山の直下で、中年のご婦人2人に会った。半原の野外教育センター前から高取山、仏果山を周遊するという。

 あっけなく高取山へ着いた。11時51分着。
 私の到着と入れ替わるように、山頂にいた男性1人が下って行った。

 山頂は広く開け、仏果山と同じような鉄塔の展望台があった。まずはその展望台へ登ろう。仏果山の展望台と同じように急な階段を登って行く。階段を登る度にバタン・バタンと甲高い音がする。

 この展望台も360度の展望だった。まずは甲斐駒を探す。焼山の右脇にボンヤリと白い山が見えた(写真右)。あれが甲斐駒だろうか。

ここから見る仏果山が恰好いい(写真下)


 ここからの展望も仏果山の展望台と変わらず、すばらし展望の一言に尽きる。
 私が一服していると、鞍部で弁当を広げていたオジさんが登って来た。さらに反対(半原側)から男性2人組が登って来た。これで今日は9人と会ったことになる。やはりこの時期でも登っている人はいるものだ。

 汗ばんだ身体が冷えて来たので、ボチボチ下ることにする。12時15分下山。
 下りは楽でいい。宮ケ瀬越まで9分で着いた。標識に「登山口まで2.0km」と書いてあるのを見て、2kmなら楽勝だ!むしろ物足りない位だ!と思ったが、途中で去年痛めた左足首が痛み出した。ヤバイ!せっかく治ったのに・・・。ゆっくり、ゆっくり下ろう。

 登山口へ13時2分着。左足首もなんとか大丈夫そうで安心した。

 今日は久しぶりにいい汗をかいた。