北茨城民報 2003年 元旦

 

 新 春 座 談    

 ◆二〇〇二年を振り返って

 司会(編集部) 北茨城民報の新年号ということで、日本共産党の市議団のお二人の対談を企画しました。さっそく、昨年をふりかえってのお話からうかがいます。
 福田明 ますます不況が深刻になり、市内でも会社の倒産や閉鎖が相次ぎました。また日本加工製紙の破産や日立電線の大リストラは市民に大きな影響を与えています。私達に寄せられる生活相談も、「医療費が払えない」「サラ金で自己破産したいが弁護士を頼むお金がない」など深刻なものばかりです。
 鈴木やす子 食べ物への信頼が揺らいだ年でもあったと思います。食肉偽装の問題などでは政治と汚れたカネの関係も浮き彫りになりました。毎日の食卓が安心できない。これは、社会が大もとから歪んでいることの象徴ではないでしょうか。

 ◆財政危機の下でも、 市民の暮らしを優先に

 司会 市政についてはいかがでしょうか。
 鈴木 深刻な財政状況のなかで、市長は第二次の行政改革をと言い始めています。
 福田 これまでの広域農道、ガラス工房、磯原駅橋上化、港増築などの大型公共事業のツケが回ってきた格好です。
 鈴木 予算の使い方に向ける市民の目も非常にきびしくなっています。
 福田 たとえば、市営墓地に税金を毎年一億円以上も注ぎ込んでいることに対し、ある市民は「死んだ後のことより生きている人のことを考えるべきでは」と批判しています。必要な施策であっても緊急性に応じた優先順位を検討し、市民の暮らしを守ることを最優先すべきです。

 ◆先進の自治体にも学んで

 司会 共産党議員団として独自に各地の先進自治体を視察してきましたよね。
 福田 共産党員の市長が二期目の当選を果たした東京都狛江市や、同じく共産党員町長が6期20数年にわたって町政を担当している兵庫県南光町、合併しない宣言をした福島県矢祭町などを訪ね、首長さんはじめ自治体幹部や地元の議員さんの話をうかがってきました。狛江市では、ムダな公共事業を削減し、逆に福祉・教育は充実させる見事な市政運営をしていました。
 鈴木 首長の姿勢というものが決定的な意味をもつことを改めて感じます。住民と力を合わせてすすめている仕事ぶり、独自の街づくりを語る関係者の皆さんの生き生きとした表情が印象的でした。あのパワーを私たちも学びたいと思いますし、皆さんにもお伝えしたいですね。 

 ◆「住民こそ主人公」めざし 無党派との共同も


 司会 まとめに今年の抱負などを。 
 鈴木 自民党や公明党の悪政の下請けのような地方政治でなく、誰もが生き生きと暮らせる街をめざして、市民ひとり一人の意欲を信頼し、市政につないでいくために力をつくしたいと思います。また、戦争の足音が聞こえてくるなか、今こそ平和を求める世論を高めるときだと決意を新たにしています。
 福田 六月に市長選があります。全国的には、長野県の田中知事の再選や福島県霊山町での共産党員町長の誕生、兵庫県尼崎市での女性市長誕生など、共産党と無党派の共同の流れが大きく広がっています。この流れを本市でも強めたいですね。暮らしを守る政治を実現するために全力をつくす決意です。
 鈴木 今年は一斉地方選挙の年でもありますし、また衆議院選挙も予想されます。「住民こそ主人公」の政治をつくるためにがんばります。
 福田 最後に余談ですが、今年は念願だった穂高や槍ヶ岳など北アルプスに登り、頂上で一杯やりたいですね。それにつけても発泡酒の値上げは許せない!