大北川上流のゴルフ場建設に反対を

      
                                                    北茨城市議会議員 福田明

市民の暮らしを支える大北川

 幼い頃の大北川は、真っ黒い川だったが、何の不思議も感じず、夏は毎日のように仲間と泳ぎ、鯉もなまずも結構釣れたものである。私の育った昭和三十年代は、炭坑の全盛期であった。しかし、四十年代になってエネルギー革命のなかで炭坑の閉山が相次ぎ、ここ北茨城においても四十七年の常磐神の山鉱を最後にヤマの灯が消えたのである。

 そのとき以来、大北川の色も黒から透き通るような清流に変わったが、子供心にもこの変化は寂しかった。炭坑から通う仲間の多くが京浜地方に転向していったのである。
 現在、大北川は鮎の名所として解禁時には、関東一円から釣り人が訪れ、秋には鮭が帰ってくる川になっている。そして、飲料水として市民の暮らしを支えている。


水質汚染の恐れが

 しかし、今、この命の水が危ないのである。大北川の上流の高萩市横川と小山という地域に二ヶ所のゴルフ場の計画が持ち上がっているのである。ゴルフ場は、大量の除草剤や殺虫剤により河川や地下水を汚染すると指摘されている。この二ヶ所のゴルフ場はいずれも浄水場の取水口の上流であり、汚染された水がそのまま各家庭に送られる可能性があるわけである。現在の浄水場では、殺菌はできても水質を変えることはできないのである。
 大企業は「水は開発のための資源である」といっているらしいが、水は人間が豊かに生きていくための資源であるはずだ。

 まさに、市民の命を守るためにも、大北川上流へのゴルフ場の建設は絶対に認められないし、その反対運動が急務である。

                                        〔1989年7月、党後援会ニュースより〕

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