生き方に影響を与えた映画「若者たち」 福田明
父の病気で、ふるさとに戻った私は、友人と「北茨城よい映画を観る会」を結成し、上映活動をしていた。
そんな折、「若者たち」の県内上映の話が持ちあがった。
北茨城での上映が決まると、不眠不休の大奮闘が開始された。会場は炭坑時代は賑わった元の映画館、
会員の熱意で無償で貸してくれた。券売りは、会員の努力で、町から村へ漁村へと広がった。普段映画と無
縁な漁協青年部とも懇談した。思いを寄せる彼女に、勇気を出して誘った会員もいた。高校生は学校を休
んで手伝ってくれた。
上映当日は満入り。懇談の時、「映画なんか」と、怖い顔で言った漁協の青年部長も、長靴を履いて仲間
を引き連れて来てくれた。勿論、彼女も来てくれた。
この映画は、観客に大きな感銘を与えた。そして、上映に携わった仲間の大半は、私も含めて当時二十歳
そこそこの”若者たち”であり、その後の生き方に、大なり小なり影響を与えたに違いない。
(茨城映画センター結成25周年記念誌に掲載)
今から約25年前のことであります。
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