漁師のお仕事・漁の種類


祝島での主な漁の種類は以下のようなものです。
なお、釣りを主にしている漁師が最も多く、次いで建て網、たこつぼ、イカ巣籠となっています。


1、 流し釣り

 船を潮の流れに乗せて移動させ、漁礁付近にいる魚を釣る。餌は、活エビもしくは疑似餌を使用する。

  この漁は自由漁業で、許可をもらう必要は無い

  主な漁獲物  タイ、メバル、ヤズ(ハマチ)、アジ、キス


2、 係り釣り(かかりづり)

 漁礁の潮上で船の前後からイカリを入れ、船を固定して撒き餌(活エビ)をして魚を寄せ、エビをつけた仕掛けをおろして魚を釣り上げる。釣りとしては効率的な方法だが、長いイカリをおろすため海面の占有も比較的広い。

 撒き餌、餌用のエビは主に『自家餌料引き』の許可をもらって採っており、2本のイカリで船を固定して撒き餌釣りするのも、県知事からの『撒き餌釣り』の許可が要る。

  主な漁獲物  タイ、メバル、ヤズ(ハマチ)、アジ、スズキ

言わずと知れた魚の王様「タイ」
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煮つけが美味しい「メバル」
冬の海の味覚の代表株「ヤズ」
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「ヤズ」もここまで大きくなると「ハマチ」になる
左の写真とこの写真のスチロールの箱は
同じ大きさ
1.7kgの「スズキ」
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大きさ・かた、ともに申し分ない「スズキ」
冬の「スズキ」は値段は安いが
味は脂がのって、とても美味しい
5.6kgもある「ハマチ」のこの大きさ!
ちなみに「ハマチ」を持っているのは
漁師さんではなく漁協の出荷場の職員です
刺身・塩焼き・フライ、何でもござれの「アジ」


3、 タチ釣り

 潮上から幹糸に餌のイワシ等(祝島ではアナゴの尻尾が主力、時にはゼンゴという小型のアジを使う)をくくった50本前後の釣り針をつけた漁具を流し込み、微速前進(ほとんど潮の流れにまかす)で流し、漁獲する。

  自由漁業

  漁獲物  タチウオ

から揚げ・刺身・煮つけが美味しい「タチウオ」
表面の銀色の皮(鱗)が取れてしまうと味が落ちる
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「タチウオ」の歯はこんなに鋭い
「タチウオ」は内臓が柔らかいので
出荷するときは必ず腹を上にして箱に詰める
タチ釣りの仕掛け


4、 建網(たてあみ)

 夕方出漁して潮にそって投網して海底に固定し、通りかかる魚を網で絡め取る。夜中から早朝にかけて揚網する。網の高さは1.1m、長さは最大1,800mに規制されており、祝島では若手漁業者が中心に操業。

  漁業権漁業

  主な漁獲物  カレイ・ヒラメ類、タイ、メバル、コチ

煮つけ・唐揚げが美味しい「メダカガレイ」
(メイタガレイ、とも言います)
いまいちわかりにくいがこれが「コチ」
「ホゴ」は「ホゴメバル」、「カサゴ」とも言う 特大のホゴ
下の通常サイズのホゴに比べ、格段に大きい
「アカエイ」は尾に毒針を持っているので
切って出荷する
5kgの「ヒラメ」
祝島では大きいものを「オオクチ」という
1kg弱もある「ワタリガニ」
甲羅にフジツボがついている


5、 たこつぼ

 タコが海底の穴などに入り棲息する習性を利用して、海底に多数のつぼを沈設してその中に入ったタコを漁獲する漁法。幹縄に150個程度のつぼをつけて沈設する。

  漁業権漁業

  漁獲物  タコ

「タコ」はやっぱり、ゆでだこの刺身や
天婦羅が美味しい
船着場の近くの浜辺に積み上げられた「たこつぼ」
最近は陶器の壺はあまり使わず、プラスチック製のものを使う
「たこつぼ」のちょうど真上に見えるのがあの「田ノ浦」


6、 吾智網

 船から樽(ウキ)を入れた後、つながっている曳網・網・曳網の順で入れていき、船は円を描きながら前進して元の樽のところまで戻る。曳網がそろったらローラーで揚網する。比較的大型な船(5t)弱で操業する。

  許可漁業

  主な漁獲物  タイ、マナガツオ

3kgの「マナガツオ」
身は柔らかく、刺身や煮付けに向いている
高級魚


7、 イカ巣籠

 甲イカの産卵期に、網と竹(最近は塩ビ管類も使う)で籠を作る。イカが産卵のために好んで集まる柴(祝島では葉を落とした笹を使う)を中にくくり、幹縄につけたものを海底に沈設して、産卵のために入る甲イカを漁獲する。

  漁業権漁業

  漁期  4月1日より6月30日まで

  漁獲物  甲イカ、タコ

「甲イカ」 イカ巣籠


8、 サヨリ船曳

 二隻の船が、船首をワイヤーでつなぎ、船尾に網をつけた曳網の両端をくくって航走し、海面近くにいるサヨリを漁獲する。

  許可漁業

  漁期  許可自体は10月10日から翌年5月10日までだが、
       祝島は普通年末から3月くらいまで操業する

  漁獲物  サヨリ


白身であっさりしている「サヨリ」
刺身・塩焼き・フライなどで楽しめる
季節によっては「祝島市場」で「生サヨリ」を注文する事も出来ます


9、 アナゴ籠

 幹縄に籠を多数つけ、餌のイワシ等を入れたものを海底に沈設し、これを繰り上げて籠の中に入ったアナゴを漁獲する漁法で、夜間操業する。

  従来自由漁業だったが、最近許可漁業になった

  漁獲物  アナゴ


10、 イサリ(漁り)

 小型船(1t未満)の上から、浅い海域を箱めがねでのぞき、獲物を確認の上「鉾」で突いてとる漁法。

  主な漁獲物が第一種漁業権となる漁法

  漁獲物  アワビ、サザエ、なまこ、魚類


上が「青ナマコ」、下が「赤ナマコ」
赤ナマコのほうが身が柔らかく、価格も高い



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