15000HIT's記念


歌う船ヘルヴァをイメージして作っています。
10000HIT'sの時と同じソフトの組み合わせで作っています
船体の色あいはこちらの方が好みの仕上がりに出来ました。 




   


その瞬間、グロリア・N号のクルーたちの視線が一点に集中した。ブリッジの入り口にその男は立っていた。
いつもながらの難しい顔で。

「答えは出たのかね、Mr.MORI。」とジュピターが尋ねる。
「はい・・・正確には、いいえですが。」
Mr.MORIはそう言うと、ブリッジ中央の3Dモニターのそばに立ち、それを見つめながら説明を始めた。

「これは明らかに人工的に作られた物体です。しかしその目的については全く解りません。」
「個々のセグメントは中空構造の非鉄金属です。我々の知る超々ジュラルミンと組成が似ています。」
「エネルギー反応、電磁波等の波動も観測されません。全くの静止状態で、過去に運動した痕跡すらありません。」

「アンテナのようなものでは?」とジュピター。
「ありえません。その目的に対しては非合理的です。」
全員がモニターを見つめる中、沈黙がブリッジをつつむ。

「えっ、何だって?」マラリアがフジ子に聞き返した。
「だからあれよ、芸術よ。異星人のアートなのよ。」
「なるほど、その可能性は否定できませんね。」 Mr.MORIが感心したように言った。みなもうなずいた。
「なんだ、宇宙人の秘密兵器かと思ったよ。」 マラリアが残念そうに言った。誰もうなずかない。
「だとすればキャプテン、これからどうします?」そう尋ねるMr.MORIの顔に、もはや難しいものなどなかった。
「そうだな、あれがアートだとすれば答えは一つ・・・」
ジュピターはクルーの顔を見渡した。そして言った。

「鑑賞するしかないだろう。」

みなが微笑んだ、そして賛成した。
それから、グロリア・N号はオブジェのまわりを旋回した。
ゆっくりと、何度も、何度も・・・

(ナレーションは田口トモロヲで)

まらりあさんから10000HITに続いて、またまた素敵なストーリーを付けて頂きました。

music by GENSEKI SOUND    


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