グラフ1 世界の被害地震ワースト10(1700年以降)
データは理科年表 2015 より
1700年以降の世界の被害地震は、死者・行方不明者20~25万人となった地震が3つあります。日本の関東地震はグラフ1の赤色棒で示すようにこれらに次ぐ4番目の地震であり、世界でも代表的な被害地震の1つです。
グラフ1に示した世界の被害地震ワースト10によると、4つの地震が中国で発生しており、中国での被害地震が目立ちます。さらに過去に遡ると、1556年にはは名前の分かった死者数が83万人といわれる中国陜西省(せんせいしょう)で発生したの華県地震(かけんじしん)があり、これが世界最大の被害地震とされています。
グラフ2 日本の被害地震ワースト10(1700年以降)
データは理科年表 2015 より
関東地震によって発生した関東大震災の被害は人的にも物質的にも日本史上最大であり、グラフ2の赤の棒で示すように、死者・行方不明者数は他の地震によるそれを圧倒しています。日本でもこのような大きな規模の地震が起こると思い知らされた東北地方太平洋沖地震でさえ、関東地震の死者・行方不明者数には遠く及びません。
グラフ1によると、関東地震の被害は他の地震による被害と比べて突出しており、特異な震災であったと解釈されるのに対し、2番目の明治三陸地震津波から連続して6番目の八重山地震津波まではその主な災害原因が津波であり、津波によって今後も万単位の死者数が出る可能性があることを暗示しています。大都市での大地震や津波を伴う大地震は将来にわてって脅威です。
更に過去の地震では1498(明応7)年には津波により伊勢大湊で溺死5千、伊勢・志摩で溺死1万、静岡県志太郡(しだぐん、現在の藤枝市など)で流死2万6千など、死者計数万といわれる明応地震があります。鎌倉大仏の殿舎が流されたのは、この明応地震の津波であると考えられています。
グラフ3 被害地震の発生状況(1700年以降)
データは理科年表 2015 より
1700年以降では、ほぼ200年間隔で死者2万人程度を出す地震が発生しています。関東地震を除けば、これらの被害地震は津波地震あるいは津波が強く影響した地震です。
グラフ4 明治以降の被害地震
データは理科年表 2015 より
1943年の鳥取地震、1944年の東南海地震、1945年の三河地震、1946年の南海地震、1948年の福井地震と戦中から戦後の混乱期にかけては、死者1,000人以上となる地震が続発しました。以後、戦後復興~高度成長期を経過した1995年の兵庫県南部地震までは大きな被害地震のない時期が継続しました。
濃尾地震(M=8.0)は活断層の活動による直下型地震であり、東北地方太平洋沖地震(M=9.0)は海溝型の地震で、ともに地震の型を代表的する世界でも最大級の規模の地震です。日本は世界の最大級の地震が起こる国です。