地震調査委員会は将来地震の強い揺れに見舞われる可能性を確率などで表した地震動予測値図を公表(2005年)しています。
全国を概観した地震動予測値図は「確率論的地震動予測値図」と「震源断層を特定した予測値図」に大別され、防災意識の高揚および国や地方公共団体の防災対策に有用な情報を提供する目的で作成されています。
「確率論的地震予測図」とは地図上の各地点(約1km四方の領域)において、今後の一定期間に一定以上の強い揺れに見舞われる可能性を確率で表現したり、一定の期間に一定の確率で見舞われる可能性を震度で表現するようなカラー図面です。
「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率の分布図」を拡大して見る
第四紀以降に繰り返し活動している断層は、将来また活動すると考えられることから活断層と呼んでおり、直下型(断層型)地震は活断層が活動することによって起こります。直下型地震はプレート境界型(海溝型)の地震に較べて規模が小さいのが普通ですが、生活の場である内陸部で発生するために大被害が生じることがあります。
内陸の要注意断層(松田時彦 『活断層』岩波新書 2000年)を拡大してみる。図は陸域の活断層の調査から得られた要注意断層が挙げられています。活断層の大部分は1,000年より長い活動間隔を持っていることから、歴史時代後期に大地震を起こさなかった断層は将来大地震を起こす可能性が大きいと考えられています。
1995年の兵庫県南部地震は、有馬-高槻-六甲断層帯(図の活断層番号2)の南部の断層が活動した地震であり、少なくともその部分は要注意断層から除外されたといわれています。