地震・防災関連用語集
カテゴリ:基本用語
地殻を構成する岩石・地層の性質や状態を地質といいます。
地質と土質はよく似た用語ですが、地質が古い過去(地質時代)からの生成過程など成因的・歴史的背景を前提とした岩石や地層の性質や状態を指すのに対して、土質は土で構成される地層や地盤の性質や状態を指します。また、調査対象が岩石であるか土であるかによって生成時代(火山岩を除いて第四紀以前と以後)が異なり、地形(山地と平野)が異なるのが普通です。
地質調査は、岩石・地層の分布、相互関係、形成年代や地質構造などを把握するために行われる調査であり、ダム、トンネル、道路等の構造物の施工や保守・点検、住宅地や工業団地の造成、地すべりや斜面の安定化対策、道路斜面の危険箇所の調査や点検・保守などを目的として実施されます。なお、調査技術者は対象となるフィールドの地質構造発達史という履歴を意識しています。履歴を意識しなければ地質分布や地質構造を正しく把握できないからです。
地質調査で最も基本になるのは岩石ハンマーとクリノメーター(地層の走行や傾きを測る道具)を用いて山野を巡る肉眼観察です。この調査を地表地質調査あるいは地質踏査といいます。地表からの肉眼による調査には限界があることから、地質調査はボーリング調査、ボーリング孔を利用した各種試験、物理探査などが伴うのが普通です。