地震・防災関連用語集

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土と土壌

土は身近な存在で一般にはどこにでも存在しています。土は岩石の風化によって形成されたものであり、風化形成後もそのままの位置に存在している定積土と流水などによって運搬された後に堆積した運搬土(堆積土)に区分されます。一般に、山地の地表は定積土、平野の地表は運搬土で被われています。

定積土の代表としては花崗岩の風化によって形成されたマサ土があり、山全体の大部分がマサ土である場合もあります。運搬土の代表としては崩積土や崖錐および河成堆積土や海成堆積土などがあります。

土は固体(土粒子)、液体(水)、気体(空気)の3相より成るものとして理解され、3相の比率や状態によって土の性質が決まります。土は岩石に対比した用語であり、土は地下深くまで分布するすることがありますが、土壌は植物の生育が可能な地表付近の土を指します。植物が生育しやすい物理的環境としては土壌の固体相・液体相・気体相の比率が順に50%・25%・25%程度が目安になるとされ、固相率が大きいと根を張り巡らすことが困難になり、液体相が大きいと根が湿害を起こしたり反対に小さいと水不足となります。

土壌には多量の有機物が含まれており、これを分解する細菌(バクテリア)などが生存しています。細菌は有機物を植物に利用される栄養分に分解する働きをしていますが、土壌の酸性化が進むと細菌の活動が低下して有機物が分解されにくくなります。土壌に石灰を混ぜるのは土壌の酸性化防止対策です。