地震・防災関連用語集

カテゴリ:地震

地震の正体

明治時代にはヨーロッパから入った学説として火山活動に伴う火山性地震、地下の洞穴に地盤が陥落して生ずる陥落地震、断層が動く構造的な地震(構造地震、断層地震)などの仮説がありました。

明治24年に濃尾地震が発生し、根尾谷断層が出現しました。断層の出現によって濃尾地震は断層地震であると考えられましたが、断層が明瞭でない大地震がいくつも発生することによって地震の全てが断層地震であるかは確定的なものではありませんでした。また、地震を発生させるような何らかの大きな力で地震が発生してその結果として断層が生じるのか、断層が生じることによって地震が発生するのか証拠は十分でありませんでした。

大正時代になって、P波の最初の動きが押しで始まる(地面が上に動く)か、引きで始まる(地面が下に動く)か、という初動分布に規則性(放射パターン)があることが発見されました。地震波の放射パターンの研究から断層がどのように動くかによって放射パターンが決まり、地殻変動や余震分布などとの整合性が確かめられました。現在では、深い地震については未解決の問題があるとしながらもほとんどの地震は断層運動で説明できると考えられています。

現在では各地の地震計が記録した記録波形から岩盤の破壊開始点、破壊の進行方向と進行速度、断層の規模、断層面上の変位量と変位速度などの地震の正体ともいえる震源パラメータが決められています。この解析をCMT(セントロイド・モーメント・テンソル)解といいます。

地震の原因は断層運動であり、断層を動かす力はプレートを動かす力です。プレートを動かす力はプレートやマントルの温度差であり、最終的には地球内部の熱にその原因が求められます。


「主な地震・火山活動の情報」 気象庁データの解説 にリンクします。http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/mech/kaisetu/cmt_kaisetu.html
ここには、CMT解や用語の解説などがあります。