地震・防災関連用語集
カテゴリ:地震
一般的表現として報道などに用いられる地震の分類的用語に直下型地震と海溝型地震があります。
日本の太平洋側では日本列島を載せた陸側のプレートの下に太平洋プレートやフィリピン海プレートという海側のプレートが海溝やトラフと呼ばれる海底の凹地付近で沈み込んでいます。プレートの沈み込みに伴い陸側のプレートと海側のプレートとの境界で発生する浅い地震を海溝型地震といいます。海溝型地震は多くの場合津波を伴います。
プレートの相対運動には、①ぶつかり一方が他方の下に沈みこむ、②ぶつかり衝突して盛り上がる、③すれ違う、④離れる、の4種類があります。このうち日本付近で発生する地震は①と②のようなプレートの相互運動によって発生しています。プレートの相対運動によって発生する地震を総称してプレート間地震と呼びますが、そのうち①の運動に伴う地震で浅いものが海溝型地震です。
海溝型地震は日本の代表的な被害地震であるため、プレート間地震あるいはプレート境界地震といえば海溝型地震と同じ意味合いでつかわれるのが一般的です。いつ発生してもおかしくないといわれる東海地震や近い将来発生周期が巡ってくる東南海地震・南海地震という巨大地震は海溝型地震です。
なお、東北地方の日本海沖で発生する地震は海溝型地震に含めることもありますが、太平洋側のような海溝やトラフがなくプレートの明瞭な沈み込みも認められないことから日本海東縁地震として別に扱われることがあります。日本海東縁地震は日本海及び西南日本などを載せたユーラシアプレートと東北日本などを載せた北アメリカプレートとの境界で起こる地震であるとする説が有力であり、プレートの相対運動では②に対応します。
海溝型地震は巨大地震であり、東北地方太平洋沖地震でも問題が指摘されたように、長周期地震動による高層建築物や石油タンクの挙動など、今までに経験してこなかったような被害が顕在化する可能性があると懸念されています。