地震・防災関連用語集

カテゴリ:災害

災害と防災

異常な自然現象および社会的現象によって人や社会が受ける被害を災害といい、災害を防止する行為を防災といいます。 

自然的要因が契機となった災害を自然災害と呼ぶのに対し、人為的要因が契機となった災害を社会災害といいます。

昭和36年(1961年)に公布された災害基本法では、災害は「暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象または大規模な火事若しくは爆発その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する政令で定める原因により生ずる被害をいう。」と規定しています。

人為的要因によって発生した大火でも強風や乾燥(フエーン現象)などの気象条件が影響しているように、また、地震が災害の原因であっても建物の倒壊や延焼によって災害が拡大するように一般には社会的要因と自然的要因が交錯しています。

地震と震災」を考えてみると、地震は自然現象ですが震災は自然現象が引き金となって社会的現象として発生します。大地震があっても人が住むことも利用することもない土地に震災は発生しないことからもわかります。このような視点に立てば災害のほとんどは社会現象から発生した社会災害であり、自然災害といっても限定的な意味合いで使用されていることが分かります。

一方、災害を個人の立場でみると大災害でさえ、家屋が倒壊しなかったら、あるいは火災が発生しなかったら、延焼が止まっていたらというように <この場所>で、 <この倒壊> でといった極めて局所的・個別的な要素が大きいという特徴があります。災害だけではなく傷害・疾病・事故・盗難など身に降りかかる災いはすべて局所的・個別的です。

どんなに医療技術が進歩しても疾病がなくなるわけではなく、道路が整備されどんなに車の安全性能が上がろうと交通事故がなくなるとは思えません。それゆえ、個人の健康管理や事故防止が意味を持っています。「疾病と健康管理」あるいは「交通事故と事故防止」の関係は「災害と防災」の関係と似ており、防災が他人任せでなく個人で実践することによって大きな意味を獲得することになります。