地震・防災関連用語集
カテゴリ:災害
盛土よりなる盛土地盤は地震に弱く、新たに開発された住宅造成地、特に盛土と切土境界付近に地震被害が目立っています。
水田として利用されることの多い低地は水はけが悪く軟弱であることから多かれ少なかれ盛土の上に住宅を建てることになります。また、丘陵地や山地斜面の一部を住宅造成地とする場合は平坦地を造るために斜面の切り盛りが行われ盛土部が造られます。
沢地形を盛土で横断する道路の崩壊
2004年の新潟県中越地震
(北魚沼郡堀之内町)
湿地や沼を埋め立てた埋立地は人工地盤ともよばれる盛土地盤です。通常時は不同沈下の懸念があり、地震時は大きな震動によって被害が集中しています。旧河道は川の流路が変わったために以前は川が流れていた帯状のゾーンが新しい堆積物で埋まっているところで、必ずしも人口の盛土地盤ではない場合もありますがそれでも地震の際は被害が集中する傾向があります。
新潟地震や兵庫県南部地震でも旧河道に沿って倒壊家屋が帯状に分布している事例があり、旧河道や旧沼地などの地表下極浅い地盤の状態が被害に大きく関係しています。また、斜面を切り盛りした造成地は切土部と盛土部の境界に亀裂が入って家屋が破損する事例が多くあります。
市街地の拡大によって郊外に宅地が進出していますが、新興開発地に被害が集中した例には1978年の宮城沖地震があります。
右の写真のように、被災地の被害を受けた道路を視ると被害箇所はいたるところ盛土であるかのようであり、盛土が地震に弱いことを露呈しています。