地震・防災関連用語集
カテゴリ:試験・測定・観測
土は粘土から礫まで広範囲にわたる粒径の粒子が混じり合っています。土を構成する土粒子がどんな割合で混じり合っているかということを粒度といい、粒度を調べるのが粒度分析です。
粒度分析は粒径0.075mm(75μm)を境にしてこれより粒径の大きなものはふるい目の開きの異なる一連のふるいを用い、これより粒径が小さなものは沈降分析(浮ひょうによる比重測定)によって実施されます。
粒度分析結果は右の図に示すように、粒径を横軸に対数目盛で、通過百分率(質量)を縦軸に普通目盛で取ったグラフに描いた曲線の粒径加積曲線によって表されます。細粗の粒子がよく混合している土の粒径加積曲線は(1)のような緩やかな勾配を示しますが、同じ程度の大きさの粒子を多く含んでいる土の粒径加積曲線は(2)のように勾配が急になります。(1)の土は粒径幅の広い土といい、(2)の土は分級された土といいます。
粒径加積曲線から、
有効径 D10(重量比が10%にあたる粒径)
平均粒径 D50(重量比が50%にあたる粒径)
を読み取り、それぞれ土の特徴を示す指標となる均等係数や曲率係数を求めます。
なお、有効径は含まれている細粒分の粒径の程度を表すものであり、砂質土の透水性を反映する数値です。
均等係数 Uc = D60 / D10
曲率係数 Uc' = (D30)2 / ( D10×D60 )
礫質土の場合はUcが4以上、砂質土の場合Ucが6以上で、Uc'が1~3であるような土は粒度のよい土とされます。
粒度のよい土は粒径の異なる土粒子が混じり合っており締め固めたとき大きい密度が得やすいので土工(盛土材料)には良好な土になります。
また、粒径の揃った砂質土は地震の際に液状化しやすいことから均等係数をもとに液状化のしやすさの程度を判定します。
砂や砂礫のような粗粒土の粒度は密度・透水性および強さなどの土の諸性質と関係が大きいので粒度分析は一般には粗粒土の分析に用いられています。また、砂分・シルト分・粘土分の含有百分率から土を分類することも行われます。