地震・防災関連用語集
カテゴリ:環境
広辞苑によると騒音とは騒がしくやかましい音。また、ある目的にとって不必要な音、障害になる音とあるように、不必要でいやな音と認識されます。
人が騒音と感じるのはほとんどの場合、車・列車・航空機・工場・雑踏などから発生する人工的な音ですが、このような騒音に対する人の反応はその人の置かれている立場(利害関係、精神状態)によって大きく異なり、時には琴の調べのような音でさえ騒音と感じるように騒音は極めて個人的で一般的な評価が困難な要素を持っています。
自然界に存在する大きな音には雷鳴、海岸に打ち寄せる大波の音、滝や渓流の音などがありますが、特殊な条件と場所によるためか騒音のイメージからはかけ離れています。鳥類や昆虫の鳴き声は時には騒音と認識されることもありますがまれなケースです。一般に自然界の音は人工の音ほど大きくなく、また、人は自然音には寛容であるのかも知れません。
人が聞くことのできる音の周波数範囲は約20Hz~20kHZ(Hzヘルツは周波数で1秒の振動数)でこの範囲の音を可聴音といいます。聞くことのできる音の大きさ(音圧)にも限界があり、周波数に応じた最小可聴値と最大可聴値があります。このように周波数によって人が音として聞くことのできる感覚の違いを周波数特性といい、4kHz付近で最も感度が高くなっています。周波数特性は感度の違いだけを示すものであり、心地よい音とかいやな音とかといった感覚は意識されていません。
人は少々の音を受け入れる柔軟さを備えておりますが音が連続的で大きいほど、その音を騒音と感じる人の割合が多くなってきます。騒音の大きさを数値で表すのに騒音レベル(単位はdB=デシベルでベルBの1/10)が用いられ、騒音を計測する機器が騒音計です。
騒音レベルは周波数特性で補正した音が基準値の何倍に相当するかを対数で表すことによって0dBから130dBの値で表しています。すなわち、騒音レベルは物理量ではなく周波数特性で補正した感覚量です。なお、周波数特性で補正しないで生の音圧を対数で表したものを音圧レベルといい、これが物理量になります。
騒音レベルLA(dB)を式で表すと、pAを周波数特性で補正した音圧実効値(単位はPaでパスカル)、p0を基準値(Pa)として、
LA=20log(pA/p0)となります。
大きな騒音レベルに晒されると一時的に難聴なったり、長期間の暴露の繰り返しによって永久難聴になることがあり、騒音性の難聴は4ヘルツ付近の音から始まるといわれています。ヘッドホンやカーステレの音量はほどほどにしたいものです。