地震・防災関連用語集

カテゴリ:環境

温室効果

大気中においてCO2のような多原子分子は、単原子分子よりも低い振動数帯域(熱赤外線帯域)のエネルギーをより多く吸収する性質があるので、大気中に二酸化炭素のような多原子分子の濃度が増すと、通常よりも多くの後方エネルギーが吸収され、大気中に蓄えられることになります。そのため、下層大気では気温が上昇し、逆に上層大気では気温が低下する現象が起こります。この現象を温室効果といいます。

大気中のCO2濃度は産業革命が起こった頃は280ppm程度であったものがその後急激に増加し、現在では350ppmを越えています。化石燃料の消費拡大による二酸化炭素の放出量が、海洋との交換、植物の光合成・呼吸作用による二酸化炭素濃度のコントロール機能を超えていることが大気中の二酸化炭素の増加原因です。

温室効果ガスとしては、二酸化炭素のほかにメタン、アンモニア、一酸化窒素、フロン、オゾンなどがあります。メタンは二酸化炭素の20倍、フロンは二酸化炭素の約1万倍の温室効果を持っていると云われていますが、排出量による温暖化への寄与率は二酸化炭素が最も大きく約64%を占めています。