乳腺の構造 乳腺は、皮膚から多くのクーパー靱帯により吊り下げられたように脂肪の中に浮いた状態で存在します。 乳管は母乳などの通り道で、乳頭先端に開孔部が複数存在する。この本管から多くの枝に分岐し、最終的に細小乳管となって、腺房に接合する。母乳は腺房で作られて乳管を流れていく。 乳癌は、この細小乳管で発生します。 乳腺の外見は、ブドウの房が乳頭を中心に放射状に並んだ状態になっていますので、乳房を触ると乳腺の凹凸を触知することが出来ます。乳腺の張りや硬さ、周囲脂肪の量と柔らかさによって、人により触った感じに違いがあります。 乳腺のおよそ50%は、乳房の外上方(C領域)に存在し、その部分に腫瘍も多く発生する。 乳腺は、腋窩にも多く存在するアポクリン腺から発生し、発育したものです。小学生低学年頃から徐々に発育し、思春期に急速に成長しますが、その時点で、一旦成長が休止します。その後、妊娠した時に再び成長が起こり、最終的な発育を終え、授乳期に至ります。乳腺腫瘍や乳癌などは、思春期終わりから妊娠までの発育休止期に多くは発生すると考えられ、その期間を短くすることが乳癌の予防には重要となります。つまり、高齢出産は乳癌のリスクが高いと言うことです。 他の動物が4個以上の乳房を持っているのと同じように、人間にも2個以上の乳房が存在し得ます。乳房は腋窩から腹部両側にかけての線上に並んで存在していましたので、その名残が腋窩前方や脇腹に副乳として見られることが多くあります。基本的に乳房の退縮したものですから、乳腺の構造をとどめており、そこに乳癌が発生することもあり得ます。 |