乳癌の手術

乳房温存療法
  乳房円状部分切除術 (Bp + Ax)
    腫瘍を周囲1〜2cmの正常乳腺とともに円柱状に切除します。

  乳房扇状部分切除術 (Bq + Ax)
    乳頭を頂点として、腫瘍を1〜2cmの正常乳腺とともに扇状に切除します。

   どちらの場合も腋窩リンパ節郭清は、level IIまで行う。
胸筋温存乳房切除術 (Bt + Ax + (Ic + Mn))
大胸筋、小胸筋を温存し、乳房を全部切除します。
胸筋合併乳房切除術 (Bt + Ax + Ic + Mj + Mn)
大胸筋、小胸筋を一緒に、乳房を全部切除します。
拡大乳房切除術 (Bt + Ax + Ic + Mj + Mn + Ps + (Sc))
胸骨傍リンパ節や胸壁を合併切除し、乳房を全部切除します。
全乳房切除術 (Bt)
リンパ節郭清をせず、乳房を全部切除します。
腫瘤摘出術 (Bm + Ax)
腫瘍のみを摘出し、腋窩リンパ節郭清をします。
Bt: 全乳房、Bq, Bp: 一部乳房、Tm: 腫瘤、Ax: 腋窩、Ic: 鎖骨下、Ps: 胸骨傍、Sc: 鎖骨上、Mj: 大胸筋、Mn: 小胸筋

センチネルリンパ節生検
 腫瘍から流れるリンパ液が最初に到達するリンパ節をセンチネルリンパ節といいます。そのリンパ節を摘出して、癌細胞が存在するかを調べることにより、それより先の本来郭清している腋窩リンパ節への転移の有無を判定することが出来るとしています。これにより、腋窩リンパ節郭清を省略することが出来ないかを検討しています。
鏡視下乳房温存手術
 腋窩においた皮膚切開により、全ての乳房温存手術を内視鏡下に行います。ほとんど傷の目立たない形で手術を行うことが出来ます。