以下のコンテンツ「とらのあな」けえにひ様から提供していただいた、
"The Creature Companion" (Chaosium Inc. 1998)
におけるモンスター・データを翻訳したものです。
ありがとうございました。

FEASTER FROM AFAR:

彼方より来たりて饗宴に列するもの、ハスターの化身

「それがやって来るのを彼は感じていた。大気は、まるで星々を隔てる空間の裂け目から吹き付けているかのように極寒のものとなった……。あらゆる非人間的な恐怖が最終的に凝縮された本質であるかのような、氷のように冷たい空から、それは滑り降りてきた。黒くて際限なく古いそれは、萎びてこぶのある、巨大なテナガザルかクモザルの一種のようだった。その身体には真珠に似た虹色の光沢がからみつき、動く事なくこちらを見つめる、燃えるように輝く両眼が帯びているのは、地球において知られているいかなる色でもなかった……塚へと接近すると、それは触腕に似た付属器官を何本か伸ばしてきた。それらの先端には、ナイフのような爪がついていた。」
――ジョゼフ・ペイン・ブレナン 『彼方より来たりて饗宴に列するもの』

教団:このハスターの奇怪な化身は、地球上ではほとんど崇拝されていません。

その他の特徴:一度地球に招来された後には、彼方より来たりて饗宴に列するものは、日が沈み地平線上にアルデバランが出ている限り、召喚が行われた地域へと意のままに戻ってくる事が出来ます。〈クトゥルフ神話〉技能を1ポイント以上持っている者はその地域において、異界の光景の中を不可視の存在に追跡されるという、生々しい悪夢を経験します。これらの夢のもたらす恐怖は非常に激しいものなので、探索者は悪夢を見る度に0/1D2ポイントの正気度を失います。

 饗宴に列するものの接近は、夜空から吹き付けてくる氷のように冷たい風によって知らされます。この姿のハスターは、ビヤーキーを伴う事なく単独で出現します。

攻撃及び特殊効果:饗宴に列するものは、そのナイフのような爪で犠牲者の頭蓋骨に穴をうがち、脳を吸い出すという攻撃を行います。それ以外の身体の諸部分は無傷のままです。毎ラウンド、饗宴に列するものは2D10本の爪で一体の目標を攻撃する事が出来ます。それぞれの爪は1ポイントのダメージを与えると同時に、1ポイントのINTを吸収します。犠牲者のINTが0にまで減少すると、饗宴に列するものはその注意を他の犠牲者へと向けるか、立ち去るかします。犠牲者のINTが0になってしまった後もそのヒットポイントが残っていた場合は、直ちに死ぬ事はありません。精神を喪失した人間が、攻撃されてからだいたい1時間以内に生命維持装置に接続されるならば、生存する事が可能でしょう。精神を喪失したそのような人間は、思考する事も行動する事も何らかの合図をする事すら不可能な、完全な植物人間の状態で、その人生を生き続ける事になります。


彼方より来たりて饗宴に列するもの、脳を貪るもの
STR 49CON 105SIZ 33INT 10POW 25DEX 33
移動 10/飛行 30耐久力 69
ダメージ・ボーナス:+4D6
武器:爪 90%、ダメージ 爪一つ毎に1ポイント+INTを1ポイント吸収
装甲:20ポイントのしわの寄った厚い獣皮。
呪文:キーパーが望むもの。
正気度喪失:彼方より来たりて饗宴に列するものを見て失う正気度ポイントは、1D8/1D20です。

訳者註:

  • 付属のイラストではその外見は、口と鼻面を欠いたヒキガエルから、四肢の代わりに何本もの触手が生え、それぞれの先端には長く鋭い爪を持つ手がついている……といった感じのものです。

  • "some kind of enormous air-borne monkey"を「巨大なテナガザルかクモザルの一種」と訳してみましたが……枝々を跳び回って樹上生活をする猿の事?

彼方より来たりて饗宴に列するもの

http://www.cix.co.uk/~coherent-light/archive/scenarios/feaster.htmlより]
"Internet Archive"の方を参照してください:2003/12/26)

 このハスターの化身は、その精神波の網によって罠にかけた人間を喰らうために、はるかなカルコサから地球へと飛来します。それは通常、自分が服従させてしまった人間だけを攻撃しますが、もし捧げられたなら、牛や羊の生きた脳も受け取るでしょう。饗宴に列するものは犠牲者を、POW対POWの抵抗ロールを行う事によって選び出します。饗宴に列するものが犠牲者を圧倒した場合、その者の精神には、別荘を取り巻く森の中を何かに追い立てられるという恐ろしい夢が毎晩注入される事になるでしょう。そしてこの夢は次第に生々しくなり、ついには犠牲者は夢を実際の行動に移し、森のはずれにある「黄の印」にたどり着く事になります。そこでは彼方より来たりて饗宴に列するものが、餌食を貪ろうと待ちかまえているのです。

 この化身はおそらくビヤーキーと同じ物質で構成されていますので、同じ手段で破壊され得ると考えられます。しかしハスターの本質から生み出されているため、本当に破壊してしまう事は決して出来ません。たとえ太陽光の下で蒸発してしまうとしても、ハスターが望むなら、夜が来るとすぐに他の分身を呼び出す事が出来ます。

 犠牲者を喰らう時、彼方より来たりて饗宴に列するものは木々の上から滑り降りてきて、その者を触腕にからめ取ります。そうしてから、触腕の先についた爪で犠牲者の頭蓋骨に穴を開け始め、ラウンド毎に1ポイントのSTRと2ポイントの耐久力を奪い去るのです。


彼方より来たりて饗宴に列するもの
STR 21CON 15SIZ 22INT 19POW 18DEX 19
耐久力 19マジックポイント 18
ダメージ・ボーナス:+2D6
武器:爪 60%、つかむ 80%、脳をえぐる爪 80%
装甲:2ポイントの厚い獣皮。
呪文:ハスターの招来、支配、催眠術、夢を送る。
正気度喪失:彼方より来たりて饗宴に列するものを見て失う正気度ポイントは、1D3/1D8です。

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