現代医学編「レントゲンは大丈夫」

 今年は暖冬の予報が出ていたと思いましたが、寒い。外出が出来ずに脚が弱ったという患者さんも居られます。環境に合わせて工夫して筋力が落ちないように身体を鍛えましょう。お家で簡単にできるのは片足で立つことです。相撲で盛り上がっていますが、四股を踏むのもよいでしょう。左右の脚を前後に広げてスクワットするのもおすすめです。不安定でグラグラするなら何かに手をついてバランスを取りましょう。座りっぱなしや寝転がっては脚は弱ります。頑張って鍛えているうちに春は来流でしょう。

 外来で患者さんに「それではレントゲンを撮って見ましょう。」と言ったところ「大丈夫ですか?」との質問がありました。「大丈夫ですよ。」と答えると「本当ですか。」と更に質問。「宇宙からも放射線は来ていますし。でも全部説明するには時間がないので。嫌なら撮影しませんが」 時々レントゲン撮っても大丈夫?との質問を受けます。

 放射線の安全性についてはネット上に多くの情報がありますが、不安を感じる方も多いと思います。放射線検査は科学的に絶対安全と言えないので不要な検査は避けなければなりませんし、妊婦さんはもちろん将来子供を持つ若い人には、できるだけ控えるようにしています。

 そもそも大丈夫とは何のことなのでしょうか。漢字で大丈夫とはもともと立派な男ということから安心していられる危なげないという意味になったようです。放射線の安全性については医学生の頃から疑問に思っていて放射線診断学の権威の先生が講義に来られた時に「放射線検査は安全でしょうか?」と質問したことがあります。その先生はニヤリとして「診断がつかずにあちこちの医者にかかっていろいろ検査をするのは患者にとって安全かな?正しい検査をやって正しい診断をつけるのが一番じゃないかな。」と言っていました。その通りだと思いました。レントゲン検査は科学的に絶対安全と言い切るのは難しいのですが、必要であればやらねばならないと考えて「大丈夫です」と説明しています。





2024年01月22日