東洋医学編「漢方専門外来です」

 新年になって外来の専門分野を漢方一つにしました。早速外来で患者さんから「次回も先生でよろしいでしょうか?」との質問がありました。整形という表記は無くなりましたが、整形外科医を辞めたわけではなく、自分が治療可能な患者さんの診療は今後とも続けていきたいと思います。

 現代医学は日進月歩でありその診療レベルを維持するには相応の努力が必要です。客観的に自分の整形外科の技能を評価すると、マラソンで例えれば先頭集団から次第に離されて中段やや後方に位置して走っている状況でしょうか。しかし、最新の知識、技術には弱い代わりに長年の経験で培った人間的な診療能力で十分患者さんに役立てるとの確信は持っています。そんな中で最近患者さんが最新の整形外科診療を期待しているのに期待に添えていないと思うこともあり、このような形になりました。整形外科の疾患でも漢方で治療して良くなるものがたくさんあります。漢方は長い歴史があり西洋医学と違う見方をできるので現代医学では解決できない問題に対処できる可能性があると思います。引き続き研鑽を深めて漢方専門医として患者さんの治療にあたりたいと思います。

 年が明けて新年早々大きな地震が能登地方を襲いました。交通が遮断され厳しい寒さの中被災者支援が遅れています。陸から行けないなら海から行けばと思いましたが、海岸では海底が盛り上がって船が港に接岸できないようです。想定外のことが起こりますが、知恵を出して地震の二次災害を防止してほしいものです。

 思い起こせば、阪神大震災の前にも青森で大きな地震がありました。地下では繋がっていますので関東でも地震の備えを再確認しておきたいものです。

 地震の翌日には突然テレビの画面が切り替わって羽田で飛行機が燃えていました。乗客が落ち着いて全員無事に退避したことは素晴らしいことですが、海上保安庁の飛行機では死者が出ました。原因はまだ判明しませんが、管制官との会話に誤解があったとすれば、それは医療の現場でも起こりうることなので教訓としなければなりません。伝えたのに伝わっていないということは現実に起こり得ます。情報共有は仕事なのですが、仕事だからといつも完璧にできるわけではありません。もし間違えても結果として重大な失敗をしないよう精神を研ぎ澄まして抜かりなく仕事をしなければなりません。



2024年01月09日