鉄道部門において様々な「日本最北」の称号を名乗る宗谷本線、日本最北の複線電化区間の途中にあるのが日本最北の高架駅、旭川四条である。
高架の真下には駅名の由来となった4条通が走り、車が頻繁に通る。また近くのバス停からは旭山動物園行きのバスにも乗ることができるため、動物園への隠れた最寄駅の一つに挙げられる。
対抗式のホームを見れば市街地にある都会の駅という感じだが、高架の下は暗く、出入り口にあるきっぷ売り場が閉鎖されているのを見ると無人駅であることを思い知らされる。
また旭川四条の駅前には高架線に沿って、まるで団地のように古く似たような形の建物が立ち並ぶ。17丁目オール商店街と呼ばれるこの商店街はどこか懐かしくて味がある雰囲気だ。高架下にある古い店の数々と車通りの多い道路、個人的な感想としては鶴見線の
国道と感じが似ている。
鉄道ファンにとって注目すべき点は、高架を下りたらすぐ左前方にある鉄道雑貨を取り扱う店があることだ。中に入ると、古い備品やきっぷなど、名前を聞いただけで懐かしくなっちゃう北海道の駅名や列車のグッズが豊富で、かつて北海道にはたくさんのローカル線や旅情を味わえる列車があったことを感じることは間違いない。実際様々なメディアで取り上げられているようで、ちょっとは名の知られているお店のようである。
近年では旭川が高架化して駅前が整備され、そのすぐ隣りにはイオンが出来た。今旭川四条の駅前の商店街にとっては逆境に立たされているが、昔ながらの雰囲気をどう活かすかが試されているかも知れない。いつまでも残っていてほしい景色が旭川四条の駅前にはある。
(2015.6.15)