待合所に通り抜けが出来ない自動改札機が突如として出現して思わぬ話題に上がった駅、朝里。この改札機の結論を最初に言ってしまえば札幌方面からICカードを使って電車に乗ってここに降りるとき、もしくはここから小樽方面に行く場合、わざわざ海側にある駅舎を通らずにカードをピピっとタッチすればいいという、利便性を考慮してとった措置である。実際に使い慣れている地元の利用者は単にカードをかざして駅を後にしている。
朝里の駅に下車して印象に残ったのは、ホームにいる人のほとんどが中国人や韓国人の観光客であるということだ。これは朝里をワンシーンのロケ地として使われた恋愛映画が中国や韓国で公開された影響だという。しかも2月は旧正月のシーズンで休暇を取っていることもあり、家族連れやカップル、団体客で賑わっていた。
海岸沿いの狭い土地に線路を敷設しているため、駅のすぐ裏手は丘陵地となっているが、その上に住宅街がある。駅前に海水浴場があるため、誇線橋を上ればたちまちオーシャンビューとなる。そんな寒い冬場にもかかわらず外国人の観光客は海の見える場所に出向き、自分のお気に入りのスポットを探して写真を撮っていた。
かつて朝里と銭函の間に張碓という臨時駅が設けられており、晩年は全列車が通過してしまうという伝説の秘境駅だった。そんな列車が止まらない所にアクセスを試みた猛者が過去に存在したが、途中から線路を歩かなければ張碓にたどり着けないということが判明したため、私はこれを聞いた時点で張碓の訪問は断念した。
(2019.2.12)