1975年に三江線が全通するまでは三江北線の終着駅だった浜原。そのためか線内では大きめな駅舎と広い駅構内を持つ。また江津、三次発の最終列車はいずれも、ここ浜原止まりのため、明日の始発のために夜間の滞泊も行われている。元々は江の川の水運の中継地だった浜原、全通し無人化された今でも線内の中継駅としての役割を担っている。
無人化された駅舎は、地元の地域おこし協力隊の事務所として再利用、また駅の待合室には駅ノートの他に有志が寄贈してくれたマンガ本もある。
駅舎の前には三江線全通の記念碑がある。待合室には全通時の記念きっぷのコピーも貼られていて、その当時はお祝いモードだったことがうかがえる。しかしすでに自家用車が普通に生活の足となってしまい、本数の少ないローカル線に乗る地元民がいないという現状が打破できずに廃止が表明された今、三江線に乗りに来ている乗客の9割は鉄道ファンであると言っても過言ではない。江津~三次の通しの列車ではなく、日中の浜原止まりの列車に乗って終点まで行ってみたら、三江線の本当の姿が分かると思う。
(2017.3.26)