中川村にある唯一の駅、伊那田島。駅裏にはカキとリンゴの果樹園があり、駅入口に駅名と開業日、そして標高を示す石碑がひっそりと建立されている片面ホームの駅だ。
村唯一の駅とは言うものの、村の中心地からは少し離れており、民家は1軒のみ、そしてその先には様々な作物が栽培されている広大な畑が広がっている。
そんな伊那田島にちょっとした転機が訪れる。三次と江津を結ぶ三江線や、北海道内にある秘境駅の相次ぐ廃止により、一気に繰り上がって秘境駅のランキングでギリギリ200位にランクインされた。
現在では飯田線で絶大的な人気を誇る臨時列車、「秘境駅号」も昨年までは豊橋~飯田間のみの運行ではあったが、2020年の秋において、駒ヶ根発の便も加わって、この便のみ、新規に伊那田島に停車するようになり、写真撮影用の停車時間も設けられた。
思わぬ形で秘境駅にランクインされたので、駅ノートも置かれてはいないが、駅には果樹園のほかに桜の木もあり、天気が良ければアルプスの山々も望める。飯田線内にはハイレベルな秘境駅に注目が集まりがちのため、今のところ穴場のスポットと言えるかも知れない。
(2020.10.23)