伊勢と鎌倉、２つとも長い歴史を持つ都市でありお正月ならずとも通年観光客が絶え間ない場所であるが、名松線にあるこの伊勢鎌倉は２つの都市が一緒になった地名ではあるが観光客とは無縁の駅である。

　山の木々が美しい風景だが、駅の目の前の道路に出てみるといきなり３軒の廃屋が立ち並び、そのうちの１軒はいかにも崩れそうな佇まいをしていた。その道路を松阪寄りに２分ほど歩くと雲出川に架かる立花橋という橋があり、その橋を渡ると１０〜１５軒くらいの民家が存在しそれが伊勢鎌倉の駅に最も近い集落である。

　その集落を少し歩いてみると茶畑があった、また伊勢鎌倉の駅に戻って静かなひと時を過ごしていたら、はるか遠くからチェーンソーの音が聞こえてきた。この駅の所在地は三重県一志郡美杉村でありこの村は美しい杉と書く通り、杉や檜と言った木材の産地である事からこの近くの人々は林業や農業を営んでいる人が多いと言う感じがした。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２００３．１．１７）