名松線の終点、伊勢奥津。元々は松阪と名張を結ぶ予定であったが、レールはここで途切れている。未成区間の名張までは三重交通のバスが引き受け、1日3往復走っている。
3本の線路を持ち、駅構内は広いが実際に使われている線路は駅に停車するための線路の1本のみでスペースをかなり持て余している。
また構内にはSL用に使われていた給水塔が今でも残っており、その隣に桜の樹が植えられていて、私が訪問したときはちょうど桜が咲いていて、風が吹いた時のピンクの桜吹雪がとてもきれいだったのが非常に印象的だった。ここからバスで10分ほど行くと「さくらの名所100選」に選定された三多気の桜がある。
駅舎内には駅ノートが設置されていて、伊勢奥津を訪問したファンの方々の様々な旅の思い出が綴られている。他にもかつて名松線で走っていたキハ58系の写真が貼ってあったり、地元の方のご厚意で貸し傘が置いてあったりと、たとえ列車の本数が少なくても地元の鉄道を愛する暖かい気持ちが伝わってくる駅であった。