十二兼は元々は信号場として造られ、昭和23(1948)年に駅に昇格された。中山道沿いに位置する対向式ホームの駅で、下りのホームからはかすかだが木曽川が見える。
谷間の小さな駅といった感じで、周囲には民家が少なく中央本線の駅の中では乗降客が少ない駅の中に入る。またこの十二兼は柿其(かきぞの)渓谷の最寄り駅となっており、駅前にはJRが設置した柿其渓谷のハイキングのモデルコースの案内板がある。
案内板を見てみると柿其渓谷には「きこりの家」や「恋路峠」といったロマンがあふれる名前のポイントがある。
駅から歩いて10分くらいの所には右下の写真の水路橋である。待合室がある方の出口を降り、名古屋方面に向かって行って一番目の橋を渡って道なりに行くとたどり着く事ができる。
この水路橋は発電の水を運ぶのが目的で大正時代に造られたもので、戦前に造られて現存する水路橋としては我が国最大級のものであり今では国の重要文化財に指定されている。
長野県内の中央本線は今でも単線区間が残っている所があるがこの十二兼で中央本線の単線の区間が終わり、ここから終点の名古屋まで複線区間になる。
(2003.12.30)